新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

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ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ 扉子と空白の時

ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延発売日: 2020/07/18メディア: 文庫 前作に書いた感想を繰り返す形になっちゃうよ。 ミステリとして小ぶりだのどうのこう言うより、とにかくこの心地良さ。 相変わらず毒のあ…

星空にパレット

星空にパレット (創元推理文庫)作者:安萬 純一発売日: 2021/01/20メディア: 文庫 鮎川賞作家からの挑戦状 星のように煌めく謎解きの粋! 高純度な本格ミステリ短編集 たしかに高純度ではあるんだけど、カカオ100%チョコレートのように、 純度が高ければ高い…

巴里マカロンの謎

巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)作者:米澤 穂信発売日: 2020/01/30メディア: 文庫 このシリーズ、11年振りらしい。 それなのに完結編の冬ではなく、そこまでの繋ぎの番外編なのかな。 冬はいつやってくるのだ。 (まぁ冬にはこの秋桜ちゃんが不可欠のキャラ…

沈黙の狂詩曲

沈黙の狂詩曲 最新ベスト・ミステリー作者:青崎 有吾,秋吉理香子,有栖川有栖,石持浅海,乾ルカ,大山 誠一郎,織守きょうや,川崎草志,今野敏発売日: 2019/11/19メディア: 単行本(ソフトカバー) 「喧騒の夜想曲」と合わせて、三年分の年間アンソロジー。 編集…

紅蓮館の殺人

紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)作者:阿津川 辰海発売日: 2019/09/20メディア: 文庫 前作の感想で「次作も多分読む」と書いておきながら、遅くなってしまった。 一昨年の本ミス3位で、ミステリファンの世評も高く、結構期待していた作品。 でも、期待のハード…

蝉かえる

蝉かえる (ミステリ・フロンティア)作者:櫻田 智也発売日: 2020/07/13メディア: 単行本 非常に地味なんだけど、なかなかどうして”飛び”のある作品を魅せてくれる。 本格っぽさを表に出している作品ではないんだけど、 意外に本格としての精度が高いのだ。 伏…

ワトソン力

ワトソン力作者:大山誠一郎発売日: 2020/09/16メディア: 単行本(ソフトカバー) どんな状況であっても”多重解決”の展開に持ち込むことの出来る、 このアイデアが素晴らしい。 これをこの作者が書くのだから、もう面白くならないはずがない。 本格ミステリの…

放課後探偵団2

放課後探偵団2 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)作者:青崎有吾,斜線堂有紀,武田綾乃,辻堂ゆめ,額賀澪発売日: 2020/11/30メディア: 文庫 こういうテーマでの競作アンソロジーなんだから、 せいぜいこうだろうなという、まるっきり想定…

ザ・ベストミステリーズ2020

ザ・ベストミステリーズ2020発売日: 2020/10/14メディア: 単行本 推理作家協会の年間アンソロジーをずっと読んできていると、 現代の一般ミステリの主流がホワイにあることがよく感じられる。 本書でも秀作と思えるのは、そこに主眼を置いた作品ばかりだった…

殺人七不思議

殺人七不思議 (名探偵「オーウェン・バーンズ」シリーズ)作者:アルテ,ポール発売日: 2020/09/17メディア: 単行本 いやあ、もうやっぱりアルテ以外のなにもの(何者、何物、両方の意味で)でもないな。 これまで書いてきたようなアルテ評(まぁほぼ全部同じこ…

透明人間は密室に潜む

透明人間は密室に潜む作者:阿津川 辰海発売日: 2020/04/21メディア: Kindle版 なんと本ミス1位、このミス2位か。 昨年度の「紅蓮館の殺人」に続いて、凄い評価だな。 「透明人間は密室に潜む」 「ベスト本格ミステリ2018」で既読だけど、二度読んでも…

本格王2020

本格王2020 (講談社文庫)作者:結城 真一郎,東川 篤哉,伊吹 亜門,福田 和代,中島 京子,櫛木 理宇,大山 誠一郎発売日: 2020/08/12メディア: 文庫 ……と、昨日のブログに書いたんだけど、 序文にて、東川篤哉会長に、私の本格観は「古い!」と決め付けられてしま…

本格王2019

本格王2019 (講談社文庫)作者:飴村 行,長岡 弘樹,友井 羊,戸田 義長,白井 智之,大山 誠一郎発売日: 2019/07/12メディア: 文庫 全く気付いてなかった。 新書版の「ベスト本格ミステリ」は無くなって、この文庫版に変わっていたんだね。 薄くなって(収録作品…

ノッキンオン・ロックドドア2

ノッキンオン・ロックドドア2 (文芸書)作者:青崎有吾発売日: 2019/11/22メディア: 単行本 1作目は16年度の第3位に入れたほどの作品。 さすがにそれに比べると、全体的なレベルは落ちてるような。 でも、まぁ派手さは無くても、青崎有吾らしいロジック展開…

2020年度ミステリ順位表('21.02.24更新)

国内 1位:ワトソン力 大山誠一郎 8点 2位:蝉かえる 櫻田智也 7点 3位:透明人間は密室に潜む 阿津川辰海 7点 4位:ティンカー・ベル殺し 小林泰三 7点 5位:エンデンジャード・トリック 門前典之 7点 6位:ノッキンオン・ロックドドア2 青崎有…

オレだけが名探偵を知っている

オレだけが名探偵を知っている作者:林 泰広発売日: 2020/06/23メディア: 単行本(ソフトカバー) マイフェイバリットなデビュー作、「見えない精霊」の作者。 3年前の再デビュー作品「分かったで済むなら、名探偵はいらない 」は、 あまりにも作風が変わった…

立待岬の鷗(かもめ)が見ていた

立待岬の鷗が見ていた作者:貴樹, 平石発売日: 2020/07/17メディア: 単行本(ソフトカバー) 相変わらず地味。 とにかく地味。 ひたすら地味。 しかも今回は謎解き自体も地味だった。 不必要なくらい凝ったトリックの謎解きもホントどうでもよくなるし、 フー…

逆ソクラテス

逆ソクラテス (集英社文芸単行本)作者:伊坂幸太郎発売日: 2020/04/24メディア: Kindle版 珍しく真っ白な伊坂。 学生時代(主に小学生時代)を回顧する作品という テーマが統一されているだけに、童心が失われることなく、 全編読後感がとても良い作品に仕上…

夢魔の牢獄

夢魔の牢獄作者:西澤 保彦発売日: 2020/08/19メディア: 単行本(ソフトカバー) むっちゃアンモラルな話で、読んでて不快になる。 お得意のSF新本格(主に初期)かと思いきや、 SF的趣向の面白みも仕掛けも全然無かったし。 それでもミステリ的には報わ…

喧騒の夜想曲

喧騒の夜想曲 最新ベスト・ミステリー発売日: 2019/12/18メディア: 単行本(ソフトカバー) 「そりゃ、編集者、楽(らく)しすぎだろ」な編集方針なだけあって、 相変わらず協会が選んだ年間アンソロジー系(3年分を二分冊)とは 全く思えないような低質さっ…

エンデンジャード・トリック

エンデンジャード・トリック (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)作者:門前 典之発売日: 2020/02/07メディア: 単行本 やはりたまにはリアル書店に行かなきゃダメだな。 若葉台まで歩きingした際に、コーチャンフォーで本眺めてて、 こんなのが出てると、…

宙を数える

宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー (創元SF文庫)作者:高山 羽根子,酉島 伝法,理山 貞二,オキシタケヒコ,宮西 建礼,宮澤 伊織発売日: 2019/10/30メディア: 文庫 これもやはりアイデアがユニークな作品ばかりで、 サービス精神も存分に感じられはするけ…

家族パズル

家族パズル作者:黒田 研二発売日: 2019/12/12メディア: 単行本(ソフトカバー) 白くろけんの軸の一つにもなっていた”ハートウォーミングな家族物”の 短編をまとめた作品集。 ここ数年ゲームのノベライズばかりという印象だったから、久しぶりに読んだな。 …

ティンカー・ベル殺し

ティンカー・ベル殺し 〈メルヘン殺し〉シリーズ (創元クライム・クラブ)作者:小林 泰三発売日: 2020/06/30メディア: Kindle版 あの児童文学の代表作の一つであるピーター・パンを、 あのディズニー映画の一つであるピーター・パンを、 こんなアンモラルな話…

空ろの箱と零のマリア 7(完)

空ろの箱と零のマリア7 (電撃文庫)作者:御影 瑛路発売日: 2016/04/01メディア: Kindle版 最初の巻の感想を書いたのが2010年の8月。 4巻まではすぐだったんだけど、5~6巻の感想を書いたのが2015年1月。 最初からだと10年。前巻からでも5年経ってるんだもんな…

イヴリン嬢は七回殺される

イヴリン嬢は七回殺される作者:タートン,スチュアート発売日: 2019/08/09メディア: 単行本 「館ミステリ+タイムループ+人格転移」という、特異な構成の本格ミステリ。 西澤保彦の「人格転移の殺人」と「七回死んだ男」を、同時に読んでるようなもので、 し…

三体Ⅱ 黒暗森林

三体Ⅱ 黒暗森林(上)作者:劉 慈欣発売日: 2020/06/18メディア: Kindle版三体Ⅱ 黒暗森林(下)作者:劉 慈欣発売日: 2020/06/18メディア: Kindle版 前作の感想にも書いたが、一作目の本質は”奇想SF”だった。 そして本作は、紛れもなく”謀略SFミステリ”と表現…

潮首岬に郭公の鳴く

潮首岬(しおくびみさき)に郭公(かっこう)の鳴く作者:平石貴樹発売日: 2019/10/22メディア: 単行本(ソフトカバー) 寡作の頃にはよく読んでたんだけどなぁ。 中でも「誰もがポオを愛していた」は日本ミステリ30選にも入れてたくらい。 クイーンばりのロジッ…

かがみの孤城

かがみの孤城作者:辻村 深月発売日: 2017/05/11メディア: 単行本 今更ながらの超有名本屋大賞作品。 そんなわけで、長い長い待ち行列の果てに、 ようやく図書館の順番が回ってきたわけだけど、それだけ待った甲斐があった。 いやあ~、良かった。 不登校の子…

希望の糸

希望の糸作者:東野 圭吾発売日: 2019/07/05メディア: ペーパーバック 殺人事件としてはあっさりしすぎてるんだけど、 人情ミステリとしての全体の組み上げ方が、流石の東野節。 ストーリーの中で、隠されていた謎が暴かれ、 それが心理を紐解き、読み手の感…