新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

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あなたへの挑戦状

あなたへの挑戦状作者:阿津川 辰海,斜線堂 有紀講談社Amazon 本書には、あなたへの挑戦状が含まれています。『紅蓮館の殺人』『透明人間は密室に潜む』の阿津川辰海と 『楽園とは探偵の不在なり』『廃遊園地の殺人』の斜線堂有紀が 「あなたへの挑戦状」とい…

フルスロットル トラブル・イン・マインドⅠ

フルスロットル トラブル・イン・マインドI (文春文庫)作者:ジェフリー・ディーヴァー文藝春秋Amazon 「死亡告示」よりも、こちらの方が断然面白かった。 収録された六本全てが、ツイストの効いた作品ばかり。 どの作品でも必ずどこかで「えっ!」とか「おっ…

名探偵のいけにえ

名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件作者:白井 智之新潮社Amazon ミステリとしてのロジカルさには定評あるものの、 アンソロジーに収録された数編の短編いずれもが、 どうしてもそのグロさがとても自分が許容できるものではなかったので、 もうこの人の作品…

入れ子細工の夜

入れ子細工の夜作者:阿津川 辰海光文社Amazon 「透明人間は密室に潜む」に続く第二短編集。 今回もまた本格の魅力を多面的に見せてくれる作品集。 それぞれにどこかツイストも盛り込んでいて、 本格にこだわりの無い読者をも楽しませる仕様になっている。 全…

仕掛島

仕掛島作者:東川 篤哉東京創元社Amazon 島荘理論、うふっ。 うん、久しぶりに島荘理論(*)を具現化した作品を読んだ気がするなぁ。 (*:幻想的な謎こそが全て、解明が多少無粋だったり、多少無理があったって、 まぁそんなのいいやん、目ぇ、つぶってやぁ~…

変な家

変な家作者:雨穴飛鳥新社Amazon 「ヘンな間取り」みたいな本かと勝手に勘違いしてた。 ホラー系のミステリだったとは。 さっぱりミステリとは知らずに借りてしまったよ。 前半の間取り図からとんでもない推測が拡がっていく様は、 なかなかの面白みはあった…

クロノス・ジョウンターの黎明

クロノス・ジョウンターの黎明作者:梶尾真治徳間書店Amazon いわゆるエピソード・ゼロって奴だね。 クロノス・ジョウンターが作られた頃の話(少なくともその一つの側面)を、 時間物ラブストーリーのセオリーに乗っけながら語った作品。 「クロノス・ジョウ…

いけないⅡ

いけないII作者:道尾 秀介文藝春秋Amazon 今回は短編集というよりは、連作集の形式に近かったな。 最後の短編で全てが繋がるというイメージ。 各短編の最終ページの写真を読み解けば、 短編内で明かされなかった謎が解けるという趣向だが、 今回は割と親切仕…

硝子の塔の殺人

硝子の塔の殺人作者:知念 実希人実業之日本社Amazon おおぉ、なるほどねぇ。 これだけの面子が帯にコメントを寄せていて、 その中で表には島荘と綾辻の二人というのにはちゃんと理由がある。 特に綾辻の「ああびっくりした」は他の人たちの驚きとは、 全く別…

ペッパーズ・ゴースト

ペッパーズ・ゴースト作者:伊坂幸太郎朝日新聞出版Amazon クセがスゴくない伊坂作品。 「作家生活20周年超の集大成となる一大エンターテインメント長編!」 という謳い文句になってるが、これは伊坂初心者向けの作品ではないだろうか。 20周年付き合ってきた…

invertⅡ 覗き窓の死角

invert II 覗き窓の死角作者:相沢 沙呼講談社Amazon ドラマ「霊媒探偵城塚翡翠」の最終話でも、またきっと日本中の多くの視聴者の 度肝を抜いたであろう、翡翠たんの倒叙作品集二作目。 本作では「生者の言伝」と表題作の二作が収録されているが、 やはり倒…

九人の偽聖者の密室

九人の偽聖者の密室 (奇想天外の本棚)作者:H・H・ホームズ国書刊行会Amazon 別冊宝石で持ってはいる(いた、かな?)けど、多分未読だった作品の新訳。 全く同時期に(数日違い)扶桑社文庫から、旧訳の方の 「密室の魔術師 ナイン・タイムズ・ナインの呪い…

魔物が書いた理屈っぽいラヴレター

魔物が書いた理屈っぽいラヴレター作者:林 泰広光文社Amazon 君が生きのこらせる方法はこれしかなかった――。中世に作られた城壁の隠し部屋に魔物が現れた。次々に人が殺されていく中、君の命を救うために仕掛けた、必死の俺の禁断のトリックとは!? 魔術師・林…

本格王2022

本格王2022 (講談社文庫)作者:道尾 秀介,大山 誠一郎,芦沢 央,方丈 貴恵,浅倉 秋成,森川 智喜講談社Amazon 珍しくド本格だらけ。 広義のミステリとしか思えなかった道尾秀介「N」収録作 (まぁ一応”本格”の部類には入るかもしれないけどって程度)と、 いつ…

ザ・ベストミステリーズ2022

ザ・ベストミステリーズ2022講談社Amazon 今回は粒ぞろいで、良作が揃っている印象。 なんでこれが、と思うような外れ作品は一作も無し。 なかなか読み甲斐のあるアンソロジーになっていた。 これなら年間傑作選として納得の出来映え。 珍しく協会賞にド本格…

老神介護

老神介護作者:劉 慈欣KADOKAWAAmazon 「流浪地球」と対になる、同時発売短編集の一冊。 あちらがロマンに満ちた作品集だったのに対し、 こちらは一転ペーソスに満ち満ちた作品集だと感じられた。 同じ破滅テーマを扱っていても、あちらのパンドラの箱には、 …

密室は御手の中

密室は御手の中作者:犬飼 ねこそぎ光文社Amazon 筆名同様というか、結構な癖のある荒削りな作品だったな。 二つの密室トリックはなかなかの出来映え。 それぞれに複数の解法が用意されていて、その各々に見応えがある。 第1の密室の新旧トリックはシンプル…

流浪地球

流浪地球作者:劉 慈欣KADOKAWAAmazon 劉慈欣の同時発売短編集二冊の内の一冊。 SFのロマンチシズムに満ち満ちた作品集だと私には思えた。 宇宙テーマを扱った作品が多いのも、その理由の一つなのだろう。 はるか遠い世界へと向けた視線。 限界を超えていく…

殺しへのライン

殺しへのライン (創元推理文庫 Mホ 15-7)作者:アンソニー・ホロヴィッツ,山田 蘭東京創元社Amazon このシリーズ三作目は、いたってフツーな作品。 真っ当な本格ミステリってのは、やはり想定通り。 ただ”天丼”なところは、今回はだいぶ薄まってた。 ホロヴィ…

神薙虚無最後の事件

神薙虚無最後の事件作者:紺野 天龍講談社Amazon 「本書は、2012年にメフィスト賞座談会に掲載された『朝凪水素最後の事件』、 第29回鮎川哲也賞最終候補となった同名作品をプロトタイプに全面的に改稿した作品。」 ということらしい。 ああ、いかにもメフィ…

#真相をお話しします

#真相をお話しします作者:結城 真一郎新潮社Amazon 協会賞受賞で、「ザ・ベストミステリーズ2021」に収録された 「#拡散希望」が傑作だったので、読んでみた短編集。 その初読の際に書いた感想がこれ。 「まさに今の時代ならではの作品。 違和感が伏線と…

黒牢城

黒牢城作者:米澤 穂信KADOKAWAAmazon 4大ミステリランキング初の全制覇、直木賞、山田風太郎賞ダブル受賞と、 究極なくらいの一人勝ちだった本作。 ミステリとしてより以上に、この歴史小説としての価値が 多くの人に認められたのだろうな。 というわけで、…

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅲ 扉子と虚ろな夢

ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazon シーズン2のプロローグ作品。 ……という趣だったと思う。 これからの作品を含めて、扉子編を一本の映画に仕立てるなら、 本作のエピローグの後に、シリーズ…

レオ・ブルース短編全集

レオ・ブルース短編全集 (海外文庫)作者:レオ・ブルース扶桑社Amazon 本当の意味での短編全集なんだ。 世界初紹介の未発表草稿10編を含む 著者の遺した全短編40本を完全網羅したもの。 ただ、著者の長編に於ける本格性を期待してはいけない。 本書の約3/4を…

月灯館殺人事件

月灯館殺人事件 (星海社FICTIONS)作者:北山 猛邦星海社Amazon 最後の一行の衝撃!!! とはいえ、正直、最初の瞬間は「きょとん」だった。 どゆこと? ……(しばしの間)…… えー、そういうことぉ~! えーー、そういうことぉ~~!! えーーー、そういうこと…

レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落

レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落 (海外文庫)作者:リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク扶桑社Amazon 「皮肉な終幕」に続いて、これで完結。 これまたほんのちょっぴりのツイストが入っただけの、 ちょっとだけ洒落たクライム・ストーリーばかり…

名探偵は誰だ

名探偵は誰だ作者:芦辺 拓光文社Amazon 「犯人でないのは誰だ」「殺されるのは誰だ」「捕まるのは誰だ」「罠をかけるのは誰だ」 「生き残ったのは誰だ」「怪盗は誰だ」「名探偵は誰だ」の変則フーダニット7編。 さすが芦辺拓らしい凝りッぷりの趣向の作品集…

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人作者:東野 圭吾光文社Amazon 重い真相、重い心理、といった作品が自分の主流になっちゃったんで、 ちょっと軽めのミステリを、といったところなのかな。 ガッツリのミステリは重くて入らないというときの 軽食にはい…

さよならに反する現象

さよならに反する現象作者:乙 一KADOKAWAAmazon 乙一、久しぶりだな、と書評リスト見てみたら、 最後に読んだのは2009年1月。もう13年半も経ってたよ。びっくり。 それだけの歳月を経ての再会としては、正直残念な出来映えだった。 まずはタイトルに惹かれて…

白鳥とコウモリ

白鳥とコウモリ作者:東野 圭吾幻冬舎Amazon 作家生活35周年記念作品 『白夜行』『手紙』……新たなる最高傑作、 東野圭吾版『罪と罰』。 あっ、偉そうに東野圭吾語ったりしてたけど、 上で最高傑作として挙げられてる「白夜行」「手紙」は 選び抜いたように読…