新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

book

レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕

レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕 (海外文庫)作者:リチャード・レヴィンソン,ウィリアム・リンク扶桑社Amazon 「刑事コロンボ」の作者として有名なこのコンビ。 個人的には、より忘れられないのが、TVムービーの本格三部作。 「殺しの演出者(謎の完全…

四元館の殺人―探偵AIのリアル・ディープラーニング―

四元館の殺人 ―探偵AIのリアル・ディープラーニング (新潮文庫)作者:早坂 吝新潮社Amazon ちょいちょいちょい、かなぁ。 相変わらず、とんでもないことをやってるんだけど、 ここまで来たら、さすがに、ちょ待てよ、と云いたい。 (決して、キムタク風に、で…

ヨルガオ殺人事件(上)(下)

ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)作者:アンソニー・ホロヴィッツ東京創元社Amazonヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)作者:アンソニー・ホロヴィッツ東京創元社Amazon おお、さすがのホロヴィッツ。 これだけ安定して出来が良く、面白いのはさすがだな。 …

推理大戦

推理大戦作者:似鳥 鶏講談社Amazon とにかく前半部分にワクワクさせられる。 それぞれ異能力を持つ各国の名探偵達が、 そのお披露目として、短編のように事件を解決していく。 その異能力を最大限に発揮して。 いやいやもう、この辺はべらぼうに面白かったん…

Ark アーク ベスト・オブ・ケン・リュウ

Arc アーク ベスト・オブ・ケン・リュウ作者:ケン リュウ早川書房Amazon 新書版の「紙の動物園」一作しか読んだことの無かった作家だが、 改めてこの傑作集で読んでも、ほぼ同じ感想を抱いてしまった。 その感想で書いたように、「比較的ありがちなSFの…

日華ミステリーアンソロジー

島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー作者:島田 荘司,陳 浩基,知念 実希人,陸 秋槎,林 千早,石黒 順子,小野家 由佳講談社Amazon 一編を除いて、シンプルな形式のミステリではない作品ばかりなので、 あんまりミステリーアンソロジーって感じはしないな。 …

海の鎖

海の鎖 (未来の文学)作者:ガードナー・R・ドゾワ国書刊行会Amazon なんか妙に難しく感じられたなぁ。 ハヤカワの「ボロゴーヴはミムジイ」「最初の接触」は 同じ伊藤典夫翻訳でも、あんなに読みやすかったのに。 これが国書刊行会クオリティってことか。 と…

忌名の如き贄るもの

忌名の如き贄るもの作者:三津田 信三講談社Amazon 本格ミステリの論理性としては、いつもよりだいぶ弱かったんだけど、 その分真相のインパクトは、いつも以上の出来映え。 強烈すぎる( )ダニットに、頭くらくらしてしまうこと請け合い。 (そこのあなた、…

法廷遊戯

法廷遊戯作者:五十嵐 律人講談社Amazon 第62回メフィスト賞受賞作。 だいぶ久しぶりにメフィスト賞読んだ気がしたけど、調べてみたら 「NO推理、NO探偵?」「閻魔堂沙羅の推理奇譚」「絞首商會」とか、 比較的最近の作品も少しは読んでたみたいだな。 本作は…

兇人邸の殺人

兇人邸の殺人作者:今村 昌弘東京創元社Amazon さすがに三作連続で傑作とまではいかなかったな。 ミステリとしてのロジックは相変わらずちゃんとしてるので、 本格としての精度は高い。 それはそうなんだけど、館の構造があまりにも複雑すぎて、さっぱり頭に…

三体Ⅲ 死神永生

三体III 死神永生 上作者:劉 慈欣早川書房Amazon三体III 死神永生 下作者:劉 慈欣早川書房Amazon 一作目は奇想SF。二作目は謀略SFミステリ。 そして、この三作目は、原点回帰のハードSF。 また一作目はバカSF。二作目はバカミス。 そして、この三作目はバカ…

invert 城塚翡翠倒叙集

invert 城塚翡翠倒叙集作者:相沢 沙呼講談社Amazon 二作目はまさかの倒叙作品集。 前作を読んでない人は絶対に読んじゃダメですよ。 あの大傑作を読む前に、ネタバレ読んじゃうなんて、こんな勿体ないことはありません。 必ず本署の前には「medium 霊媒探偵…

雷神

雷神作者:道尾 秀介新潮社Amazon 「龍神の雨」「風神の手」に続く、神三部作の完結編。 (あっ、それぞれに関連性は全くなく、完全な独立作品です。念のため補足) その「風神の手」も傑作だったが、本作もそれに劣らぬ傑作。 久しぶりに道尾秀介の得意技で…

孤島の来訪者

孤島の来訪者作者:方丈 貴恵東京創元社Amazon これは凄い! 昨年度のベストが軽く入れ替わってしまった。 昨年度は長編が振るわず、短編集の年だって評価してたけど、 こんな秀作を読み逃しておいて、そんなことをほざいちゃいけんかったな。 一作目も結構評…

Story for you

Story for you講談社Amazon コロナ禍の夏休みにwebサイト「tree」に発表された62編の短い物語。 ショートショートではなく、なんてことのない短いお話。 こんな時代ゆえの苦悩が反映された、暗くへこんでしまうお話なの? いいえ、まさか。 それとは真逆の、…

5分後に意外な結末 ベスト・セレクション 黒の巻

5分後に意外な結末 ベスト・セレクション 黒の巻 (講談社文庫)作者:桃戸 ハル講談社Amazon声を大にして言いたい。 しょうもな! こんなひどい作品集、久々に読んだな。 採点対象作品だったら、3点を付けるだろう。 これでベスト・セレクションだっちゅうん…

オクトーバー・リスト

オクトーバー・リスト (文春文庫 テ 11-43)作者:ジェフリー・ディーヴァー文藝春秋Amazon いやあ、さすがディーヴァー。 凄い作品が誕生したものだ。 36章から始まり、章を追う毎に時間を遡っていくミステリ。 映画「メメント」のような時間逆転ストーリー。…

蒼海館の殺人

蒼海館の殺人 (講談社タイガ)作者:阿津川 辰海講談社Amazon 前作「紅蓮館の殺人」は評価出来なかった自分だけど、 こちらの方がはるかに良かった。 前半は前作の構図をそのままなぞるような形になっていて、 (危機の迫り方とか、途中で別の場所で別の事件が…

ネヴァー・ゲーム

ネヴァー・ゲーム作者:ディーヴァー,ジェフリー文藝春秋Amazon リンカーン・ライム、キャサリン・ダンスに続く第三の名探偵の登場。 懸賞金ハンターが職業ということで、 上記二人がいずれも”静”の特性を持ったキャラクタ設定であるが故に、 ”動”の特性を担…

楽園とは探偵の不在なり

楽園とは探偵の不在なり作者:斜線堂 有紀早川書房Amazon 題名から云っても、天使という題材を取っても、 テッド・チャンの「地獄とは神の不在なり」にインスパイアされた 作品だろうと思っていたが、やはりそうだった。ま、そりゃそうだ。 インパクトは元ネ…

月下美人を待つ庭で

月下美人を待つ庭で (猫丸先輩の妄言)作者:倉知 淳発売日: 2020/12/21メディア: 単行本 十五年ぶりの猫丸先輩シリーズ。 前作の感想で、次の巻は「夢想」「迷妄」「与太」あたりかと予想してたんだけど、 正解は「妄言」でした。「迷妄」は結構いいセンいっ…

あと十五秒で死ぬ

あと十五秒で死ぬ (ミステリ・フロンティア)作者:榊林 銘発売日: 2021/01/28メディア: 単行本 第12回ミステリーズ! 新人賞佳作入選「十五秒」が評判良かったためか、 本書のタイトルに挙げられている状況設定型ミステリを それ以降三作も追加して刊行された…

欺瞞の殺意

欺瞞の殺意 (ミステリー・リーグ)作者:章子, 深木発売日: 2020/02/15メディア: 単行本 流石だなぁ。 70代のおばあちゃん作家とはとても思えぬ柔軟さ。 本格ミステリとしての精度の高さに、いつもながら驚かされる。 60過ぎのデビュー当時から、構図の意外性…

あなたも名探偵

あなたも名探偵作者:市川憂人,米澤穂信,東川篤哉,麻耶雄嵩,法月綸太郎,白井智之発売日: 2021/02/22メディア: 単行本 前作同様、難易度はかなり高めの作品ばかり。 何か見返りがあればともかく、真剣に挑戦してみようという気には なれなかったので、読み物と…

クスノキの番人

クスノキの番人作者:東野 圭吾発売日: 2020/03/17メディア: ハードカバー 『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たなエンターテインメント作品。 ……ってのが売り文句。 つまりは、SF的(というよりファンタジー的と言った方がいいのか)着想を …

その裁きは死

その裁きは死 (創元推理文庫)作者:アンソニー・ホロヴィッツ発売日: 2020/09/10メディア: ハードカバー シリーズ二作目にして、ようやく読み方がわかったように思う。 前作はカササギの後と云うこともあったし、 メタフィクションと解説で称された構造もあっ…

メインテーマは殺人

メインテーマは殺人 (創元推理文庫)作者:アンソニー・ホロヴィッツ発売日: 2019/09/28メディア: ペーパーバック 前作に続いて、二年連続三冠王の作品(次作もなので、三年連続なのだが)。 今更にして、ようやくの読了。 それだけの作品というわけで、一体今…

砂漠を走る船の道 ミステリーズ!新人賞受賞作品集

SF研のY氏のブログを見て、こんなお手軽な作品集があったのかと知ったもの。 ミステリーズ!新人賞受賞作という、優秀さが自ずと証明されてるような 作品ばかりをまとめて読めるなんて、こんなお得なことは無いぞ。 続巻もあるみたいだけど、町田の図書館…

さよならアリアドネ

さよならアリアドネ (ハヤカワ文庫JA)作者:宮地 昌幸発売日: 2015/10/21メディア: 文庫 時間ループ物で、テーマは夫婦物。 モロに自分がはまりそうな体裁の作品だったんだけど、 意外にそうはならなかった。 時間ループ物って、あがいて、もがいて、の紆余曲…

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ 扉子と空白の時

ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延発売日: 2020/07/18メディア: 文庫 前作に書いた感想を繰り返す形になっちゃうよ。 ミステリとして小ぶりだのどうのこう言うより、とにかくこの心地良さ。 相変わらず毒のあ…