新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

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逆転美人

逆転美人 (双葉文庫 ふ 31-03)作者:藤崎 翔双葉社Amazon 「ミステリー史に残る伝説級超絶トリックに驚愕せよ!!」 ってだけで、どういう仕掛けかは想像が付くかも。 しかも書影見たら、帯に「紙の本でしかできない驚きの仕掛け!」 って書いてあって、そんな…

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ 扉子たちと継がれる道

ビブリア古書堂の事件手帖IV ~扉子たちと継がれる道~ (メディアワークス文庫)作者:三上 延KADOKAWAAmazon 17歳の扉子の物語。 17歳の智恵子の物語。 17歳の栞子の物語。 令和、昭和、平成の三世代の少女達の物語が、 「鎌倉文庫」という文学史上の事実と謎を…

魔女と過ごした七日間

魔女と過ごした七日間作者:東野 圭吾KADOKAWAAmazon このシリーズ最初の「ラプラスの魔女」は、 著者80作目の作家デビュー30周年記念作品ってのが売りだったのに、 残念ながら得られるもののない作品だった。 そのせいで、次作の「魔女の胎動」は迷わず見送…

#今夜全てを告白します

#今夜全てを告白しますスターツ出版Amazon しょうもな。 こんなどんでん返しで満足できるのなら、 本当に幸せな人だとすら思えるよ。 ネットやSNSの世界では、なりすまし含めて、 その正体が誰かなんて、不透明で当たり前のもの。 そんな話ばっかりで、…

超短編! 大どんでん返し Special

超短編! 大どんでん返し Special (小学館文庫 ん 2-2)小学館Amazon どこぞの知らないライターが適当にでっち上げたようなものとは違って、 真っ当な作家陣が名を連ねた作品集で、それぞれにアイデアが凝らされており、 及第点以上ばかりが集まった作品集だと…

アミュレット・ホテル

アミュレット・ホテル作者:方丈貴恵光文社Amazon 警察の介入が一切なく、偽造パスポートでもグレネードランチャーでもルームサービスでお届け可能な犯罪者御用達ホテル。そこでは守るべき2つのルールが存在する。①ホテルに損害を与えない。②ホテルの敷地内…

推理の時間です

推理の時間です作者:法月 綸太郎,方丈 貴恵,我孫子 武丸,田中 啓文,北山 猛邦,伊吹 亜門講談社Amazon あなたにはこの謎が解けるか――。 法月綸太郎と方丈貴恵がフーダニットで、我孫子武丸と田中啓文がホワイダニットで、北山猛邦と伊吹亜門がハウダニットで…

ラザロの迷宮

ラザロの迷宮作者:神永 学新潮社Amazon なるほど、こういうやり方か。 以下の感想ですが、勿論、明確には書かないですけど、 勘の良い方には、充分読めてしまう部分があるかもしれません。 これから読もうと思っていらっしゃる方は、 以下は読まずに本書に向…

本格王2023

本格王2023 (講談社文庫)作者:今村 昌弘,結城 真一郎,潮谷 験,矢樹 純,荒木 あかね,白井 智之,道尾 秀介講談社Amazon 初めてかもしれない。いや多分初めてだろうな。 これを推したいって作品が一っつも無かった。 正直今回はベスト3は「該当無し」にしたい…

爆弾

爆弾作者:呉 勝浩講談社Amazon 昨年度の「このミス」「ミステリが読みたい!」の二冠作品。 ということからもわかるように、 読み応えたっぷりな作品。 とぼけたサイキックな雰囲気の容疑者と、 切れ者の本庁刑事との、取調室での頭脳戦が ほぼ全編に渡って続…

密室ミステリーアンソロジー『密室大全』

密室ミステリーアンソロジー『密室大全』 (朝日文庫)作者:青柳 碧人,恩田 陸,貴志 祐介,中山 七里,東川 篤哉朝日新聞出版Amazon 収録作は以下。 「密室龍宮城」青柳碧人 「佳也子の屋根に雪ふりつむ」大山誠一郎 「ある映画の記憶」恩田陸 「歪んだ箱」貴志…

でぃすぺる

でぃすぺる作者:今村 昌弘文藝春秋Amazon ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ。 まぁこの著者なので、オカルトはオカルトとして存在前提だし、 それでも間違いなく本格ミステリの構成を取っている、という作品。 展開や読み味はジュブナイルの要素は勿論大…

ハンティング・タイム

ハンティング・タイム作者:ジェフリー・ディーヴァー文藝春秋Amazon ドンデン返し20回超え。(小社調べ) 世界一のサプライズ作家の最新作。 すべては見かけどおりではないのだ。 こういう惹句だと、何転も何転もしていくように想像されるけれど、 そうではな…

地雷グリコ

地雷グリコ作者:青崎 有吾KADOKAWAAmazon 超面白い!!! まさしく頭脳バトル!!! 昔ながらの遊びをアレンジして、ギャンブル・バトルに仕立て上げる、 そう、ギャンブル漫画好きならきっと思い浮かべるはず。 これって、あの「嘘喰い」のやり方。 「嘘喰…

好きです、死んでください

好きです、死んでください作者:中村 あき双葉社Amazon 意外に掘り出し物だった「トリック・トリップ・バケーション」の作者。 久しぶりに本ミスのランキングで見かけたので、そりゃあ読まなきゃと。 恋愛リアリティーショーと孤島ミステリの融合。 前者も単…

可燃物

可燃物作者:米澤 穂信文藝春秋Amazon 「このミス」「文春」「ミステリが読みたい!」の三冠。 「本格ミステリベスト10」でも第二位という、超高評価の作品。 ってのが不思議に思えるくらい、すごく地味な作品。 五つの短編それぞれがミステリとして高水準な出…

エレファントヘッド

エレファントヘッド作者:白井 智之KADOKAWAAmazon 二年連続の「本格ミステリベスト10」の第一位。 あまりものグロさで敬遠してきてた作者だが、 昨年1位の「名探偵のいけにえ」はやはり凄い作品だったので、 これもさすがに読まずにはいられない。 そして、…

ナイフをひねれば

ナイフをひねれば (創元推理文庫)作者:アンソニー・ホロヴィッツ東京創元社Amazon このシリーズは、真っ当な本格ミステリだということがわかってるので、 フツーの作品ではあるんだけど、そのままで愉しめはしたかな。 天丼な要素は前作同様薄かったけれど、…

私雨邸の殺人に関する各人の視点

私雨邸の殺人に関する各人の視点作者:渡辺 優双葉社Amazon クローズド・サークルの多重解決もの。 なんだけど、全部が稚拙でぎこちない。 いかにもミステリ・プロパーでない人の書いた、見よう見まね作品に思えた。 とにかく必然性の無いことばかり。 トリッ…

教室が、ひとりになるまで

教室が、ひとりになるまで (角川文庫)作者:浅倉 秋成KADOKAWAAmazon 「六人の嘘つきな大学生」で大ブレークした作者の出世作。 本作で、本格ミステリ大賞と日本推理作家協会賞にWノミネートされたことで、 ミステリ界隈では着目されたものだった。 結局その…

滅びの掟 密室忍法帖

滅びの掟――密室忍法帖作者:安萬 純一南雲堂Amazon 山田風太郎の「甲賀忍法帖」をミステリ的にあり得る形で 具現化しようという試みなのかと私には感じられた。 ただ、じゃあ、それが面白い方向に働いているかと言うと、 そうじゃ無いよなぁと感じてしまうの…

不実在探偵の推理

不実在探偵の推理作者:井上 悠宇講談社Amazon 探偵の設定が全て、という作品。 「僕が答える君の謎解き」みたいに、 名探偵の推理を推理するという趣向の作品なんだけど、 「ウミガメのスープ」みたいな水平思考クイズのように、 「はい」「いいえ」「わから…

君のために鐘は鳴る

君のために鐘は鳴る作者:王元文藝春秋Amazon 「これぞ 21世紀の「十角館」だ!」なんて、キャッチコピーを 付けられたら、そりゃ読むっきゃないよなぁ。 で、どこが十角館を彷彿とさせるのか、さっぱりわからなかった。 孤島の連続殺人=十角館じゃないんだ…

世界でいちばん透きとおった物語

世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫 す 31-2)作者:杉井 光新潮社Amazon なるほどね。 ミステリファンにとっては、同じような趣向の本は 何度も触れているので、衝撃や驚きはさほどではないか。 難易度としては、それほど高いとも思えないしね。 ただ…

十戒

十戒作者:夕木 春央講談社Amazon 一般にも大きく知られることになった「方舟」同様、 特殊状況下の連続殺人という、設定の生み出す興味を持続しつつ、 意外性にも意を用いた作品。 当然「方舟」ほどの衝撃は無いにせよ、 一般の読書家にもそれなりの面白さは…

陥穽の円舞曲

陥穽の円舞曲 最新ベスト・ミステリー作者:青崎有吾,芦辺 拓,阿津川辰海,有栖川有栖,織守きょうや,恩田 陸,加納朋子,今野 敏,澤村伊智,斜線堂有紀,白井智之,辻堂ゆめ,長岡弘樹,麻耶雄嵩,矢樹 純光文社Amazon かたわれ読んでから、こっちのことをすっかり忘れ…

カエルの小指

カエルの小指 a murder of crows作者:道尾 秀介講談社Amazon 道尾秀介の中でも、一般の方にもお薦めしやすい名作「カラスの親指」の続編。 検索しても自分の感想が無かったので、読み逃してたっけ、 と借りてみたのだけど、やっぱ確実に読んでた。 長期的記…

歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理

歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理作者:三津田 信三KADOKAWAAmazon「刀城言耶」シリーズに連なる新シリーズの登場。 最後まで読むと、それだけではない趣向があることがわかるのだけど、 「刀城言耶」シリーズしか読んでない自分にとっては、 あまり意味を…

ロンドン・アイの謎

ロンドン・アイの謎作者:シヴォーン・ダウド東京創元社Amazon うん、良いね。評判良かったのも納得。 ここまで綺麗にミステリとして収まってるとは 正直思っていなかった。 ロンドン・アイの謎自体は、ある意味想定範囲内の 真相ではあるんけど、それだけで…

吸血鬼の仮面

吸血鬼の仮面 (「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズ 5)作者:ポール・アルテ行舟文化Amazon 吸血鬼の仕業としか思えない事件の数々。 それを現実の事件として解き明かす。 そんなことをやってるわけなので、相変わらず突っ込みどころは満載。 トリックも…