新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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パンティの最後の遊びは白という話

  • 本日のブックオフ多摩永山店
    1. パンティストッキングのような空の下 うめざわしゅん ¥60
    2. ラストカルテ -法獣医学者 当麻健匠の記憶- 4 浅山わかび 少年サンデーC ¥70
    3. ラストカルテ -法獣医学者 当麻健匠の記憶- 5 浅山わかび 少年サンデーC ¥70
    4. 幽★遊★白書 完全版 3 冨樫義博 ジャンプC ¥70
    5. 幽★遊★白書 完全版 5 冨樫義博 ジャンプC ¥70
    6. 幽★遊★白書 完全版 6 冨樫義博 ジャンプC ¥70

ユートピアズ」が相当良かったので探してた1.があっさり見つかってラッキー。沁みる話系として継続買いを決めた2.,3.。4.,5.,6.も順調に揃ってきてるな。後半の巻が見つかればいいが。
 

300円以上で使える200円クーポンの期限が今日の午前中までだったので、これを。未公開トーク25話ってのが目的で。
 

アフター0 著者再編集版 2巻

 
岡崎二朗の代表作である「アフター0」は、多岐に渡るジャンル・スタイルを扱った
SF短編オムニバス作品集だけど、これは未収録作品を加えジャンル別にまとめ直した
全10巻の著者再編集版の第2巻。
 
サブタイトルが「犯人は誰だ!?」となっているように、
ミステリジャンルの作品を集めた巻になっている。
 
いきなり冒頭の「三月(やよい)の殺人」が大傑作。
そういうことだったのか!と膝を打つ。
ここまで伏線だらけの作品だったのに、全く予想だにできなかった。
中断したままになっている短編ミステリ漫画十選の一つに入れてもいいかも。
 
その他の作品は、ミステリ的な企みとして秀でたものはないんだけど、
ミステリ色の強い読み物としては満足できたかな。
 
その中でも、ミスリードの効いた「私の心にダイヤルを…」が第2位。
 
第3位は解決後の最終ショットの字幕が心地良い「誰が森を燃やしたか?」で。
 

禁忌の子

 
第34回鮎川哲也賞受賞作。
 
犯人指摘のシーンで、クリビツテンギョー(中山ヒデ風に)したのは、
相当に久々だったかもしれない。
 
最近の優秀な作品って、フーダニット以外のところに意を用いたものが多いからなぁ。
 
純粋にフーダニットで驚けるってのは、かなり貴重な存在だと思う。
しかも、その途端にタイトルが浮かび上がってきたしなぁ。
 
もう、これだけで、8点確保。現時点では昨年度の第3位だな。
 
文章も読みやすかった。
女性作家特有の探偵=イケメン設定なんだけど、
あざとい描き方にはなってないから、特に気にはならない。
 
医療ミステリだけど、難解さも特に感じなかった。
 
本作には驚かされたけど、そんなに本格ミステリ志向が
高いとは思えなかったから、上手な作品はまだまだ生み出しそうだけど、
自分が追っていく作家ではないような気はしたな。
 

十角館の殺人

12/30~1/3 日本テレビにて放送分。全5話。

例によってChatGPTに描いて貰った十角館。もっと正十角形に近くなるように条件付けて何度か書き直させたけど、正六角形か正八角形にしかならない。結局最初のコレを採用。ChatGPTは図形が苦手なのかしらん?

 
2024年のHulu年間視聴ランキングで1位に輝いた作品。
どうしても見てみたかったので、地上波放送されると訊いて、
歓喜の舞を踊ったよ(比喩的表現です 笑)。
 
あの映像化不可能な作品を、いったいどう実現させ得るのか。
 
……
 
…………
 
………………
 
まさかの(ってこともないか)超古典的手法だったとは。
まぁ、正攻法っちゃあ、正攻法なんだけど。こんな映画何本かは見てるし。
 
たしかにこれで、あの衝撃の一行を実写版で成立させてはいるけれど、
だからといって、すっきりはしないんだよなぁ。
 
だって、こんな風に雰囲気を変える意味が無いもの。必然性が皆無。
ギリギリ言い訳が立つようにはしてるつもりなんだろうけど(体調の演技のため)、
でも、やっぱ、あくまで視聴者を騙すためだけのものでしかないと思えちゃうんだよね。
(これまでに見たことのある同等な手法の作品は、作中の必然性が必ずあったと思う)
ミステリ者としては、手法にも必然性を持たせて欲しかった。
 
同じ綾辻の同様に映像化不可能な作品である「Another」の漫画版では、
仕事とプライベートという必然性があって、納得出来たんだけど。
(怖くて実写版の方は見てないんだけど、評判最悪ってことは、
 このドラマと同じ手法使って、ミエミエで大失敗してたりするんだろうか)
 
でも、まぁ、あの衝撃の一行と犯人の名前くらいしか覚えてなかった十角館を
こうして改めておさらいできて、それだけでも満足できたよ。
 
これで揃えようと思ってた漫画版(1巻のみ購入済み)は不要かな。
内容はさらえたし、1巻をパラ見したら、同じ手法だとわかったし。
(漫画版だと、更に安直に成立できる手法だから)
 
さて、第二弾の制作も決定してるとのこと(その宣伝のための地上波だものね)。
迷路館かなぁ? 時計館かなぁ? きっと、どっちかだろうな。自分は迷路館推し。
でも、それがまた地上波に落ちてくるのは、いったいいつになることやら。
(第三弾の制作が決まらなかったら、落ちてこないかもしれないしな)
 

メイズ・ランナー:最期の迷宮

01/05 ディズニープラスにて鑑賞。

 
というわけで、これまた邦題詐欺。
やっぱり迷宮なんて無いしね。
原題の「The Death Cure」なら「死の治療法」ってことで納得。
 
二作目の脱出に続いて、三作目は逆に侵入。
 
まぁこういう裏表関係という面白さはあるし、
アクションのダイナミックスさもあって、二作目よりはまし。
 
ただ、結局最後までぶれぶれだったよなぁ。
 
なんのかんの正当化しようとしたって、
血清という初手の初手から、一歩も進んでないやんというお粗末さ。
せめて複製とか大量生産の首尾くらい整えておこうよ。
貴重な存在と言いながら、殺すほど血を抜くって、どういうことよ。
阿呆か。イソップ童話から読み直せ!(「ガチョウと黄金の卵」な)
 
結局第一段階も第二段階も全く関係の無い結論に至っては、
今までの全部にいったいどういう意味があったのよって、腹立たしい気分になってしまう。
 
ディストピアでもユートピアでもない、中途半端なラストも興醒め。
 
シチュエーションの面白さだけを味わうためだけの目的で、
一作目見るのはギリ有りとしても、そこで止めるが吉のシリーズだったな。