新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

艮(うしとら)

 
山岸凉子の最新作品集。
表題作の他、「死神」「時計草」「ドラゴンメイド」を収録。
 
最後の作品を除けば、いずれも怪異譚。
山岸凉子のぞわっとなるほどの怖さは無いけれど。
 
怪異譚三作の中では、やはり表題作がダントツ。
何が起きてるのかというホワットダニットの面白味と、
読んでるうちに印象が変わっていく霊能力者のキャラがなかなか。
 
「死神」は”おむかえ”が見える看護師のドキュメンタリー風作品。
「時計草」はよくある死後の世界物だけど、ちょっと意地悪なラスト。
このラストは本書中では一番ゾワッとしたところだったかな。
 
「ドラゴンメイド」は「レベレーション(啓示)」とリンクするようだが、
本書の裏ベストと云ってもよいような作品。
マロニエ王国の七人の騎士」みたいに、この10人の息子の物語を読んでみたいかも。
 

明智恭介の奔走

 
明智小五郎に神津恭介という日本三大名探偵中の二人
(勿論、残る一人は金田一耕助)を単純にくっつけただけの命名を思うに、
作者の意識としては、どう考えても捨てキャラだったはず。
 
屍人荘での姿が割と印象的だったせいで、読者の要望が大きかったのか、
主役となって帰ってきた(といっても当然アレより過去の話だが)短編集が登場。
 
日常の謎ってことで、とっても小粒。
作者的にはその手のアイデアの吐き出し口ってことなのかしら。
シリーズ第一短編集と書かれているけど、期待して続刊を待つってことはないな。
まぁちょっとほっこりは出来るけど。
 
ベストは個人的にその”とある日常の謎”ってのが、とってもエモかったので
「とある日常の謎について」を選んでみよう。
次点は謎の馬鹿馬鹿しさが素敵な「泥酔肌着引き裂き事件」だな。
 
採点はやはり6点止まりだろう。
 

キングダム 大将軍の帰還

07/13(土) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。
今回はイメージ画像じゃなくて、本作のクライマックスに当たる原作の書影を貼っておく。

 
1は別格として、2以降の三作の中では、個人的には文句無しに本作がベスト。
 
ストーリーが散漫でなく、集中してるのが良かった。
本作はもう完璧に「王騎が主役」。
王騎:大沢たかおと龐煖(ほうけん):吉川晃司との一騎打ちのアクションシーンは、
長いのも全く気にならないくらい、息も詰まるほどのど迫力。
ここだけでも映画館に足を運ぶ価値あり。
 
信との騎馬のシーンも胸が熱くなる。
 
そしてラスト。
サブタイトルが回収されるシーンのカタルシス
 
本作で唯一残念だったのは、摎(きょう):新木優子
原作キャラと似てるからの採用なのかもしれないけど(未読なので不明)、
強さなんて微塵も感じられない。鈴木亮平みたいに身体作れとは云わないけど、
も少し演技でカバーできないものか。綺麗なだけのお嬢さんはいらない。
どうしても楊端和:長澤まさみの凜とした立ち姿や台詞回しと対比してしまう。
 
ところで本作が最終章と銘打たれてるけど、シーズン1王騎編のってことだよね?
まだまだ自分は観に行きたいぞ。
スケール落として、続きはネット配信ドラマで、だけはやめてくれ。
 

リベンジの呪術の終わりはブラックなドクターの学園で

ビートルズBOXやジャンケットバンクを落とした際に、色々とサイト登録したので、
あちこちのフリマやオークション眺めるようになってしまった。
Dr.Stone全巻を狙ってるうちに引っかかった下記のオークションを落札。
ライバルに最後しつこく粘られたので、予定よりだいぶ上がってしまった。
途中であきらめればよかったよ。これで越えられたらすっきりあきらめられると
負け前提だったはずの最後の最後で落札。どうせなら、もう一声だけ粘って欲しかった。
ついつい対抗してしまって、落としてから後悔する。オークションあるあるだろうけど。
 

ジャンプ系の長期連載作品を中心とした全96冊、送料込みで¥4,854。
結局こうしてまたDr.Stone後半の出物を探して、オークション眺め続ける羽目に。
 

黄土館の殺人

 
構成がユニーク。
交換殺人の契約を冒頭に出すという、
謎の提示の仕方も非常に魅力的。
 
ミステリとしてやりたいことが、
実に美しく構築されている。
 
プロットとしてはある意味完璧だと思うんだけど、
いかんせん、あまりにもあからさまにわかってしまう。
 
後出しは許されないからとあらかじめ犯人の特性を
出さざるを得ないというのが正直なミステリ者の宿命なんだけど、
それにしてもここまでわかりやすかったのは、珍しいくらいかと。
「フラグ立てました!」って、手挙げて作者が大声で叫んじゃってるよ。
 
せっかく良いプロットだったのに、
ここだけが本書で唯一の(他は目をつむる)、但し致命的な弱点だったかなと。
(一応きっと自分だけじゃないよねとAmazonの書評眺めてみたら、
 犯人わかったのオンパレードだったから、やっぱそうだった)
 
失敗作という評価にせざるを得ないとは思うものの、
やりたかったこと自体は高く評価したいので、採点は7点。