新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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マスカレード・ゲーム

 
いや、まぁ、もう流石の東野圭吾の匠の技。
 
被害者は皆、過去に直接的、間接的に人を死なせた者達。
しかし、その際の被害者の遺族には皆アリバイがある。
 
こうなると誰もがとある発想に至るわけだけど、
そこに一捻り入れる。
 
とまぁ、言ってみればそれだけの構造の作品なんだけど、
それをこれだけの読ませるミステリ小説に仕立て上げる、
これが熟練の東野圭吾の作劇術。
 
ミステリとしてどうのこうのと言う必要無し。
 
そういう小説としてこれだけのクオリティで成立させ、
一般読者を存分に取り込めるエンタテインメントに
仕立て上げてるのだから、成功作と捉えるしかないだろう。
 
自分の指向とは必ずしも合致してるわけではないけれど、
ちゃんと狙った方向で、狙い通りの作品になってるので、
採点も6点に留めるわけにもいくまい。7点ということで。
 

名探偵ポワロ ベネチアの亡霊

09/18(月) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。

 
原作はアガサ・クリスティハロウィーン・パーティ」
有名なネタがあるわけでは無いので、
長期的記憶槽に欠陥のある自分にとっては、既読か未読かすらわからない始末。
まぁ、その分新鮮に観られるわけなので、久々にクリスティ映画に行ってみた次第。
 
ただ、原作のネタバレあらすじをネットで読んだ限りだと、
幾つかのモチーフは換骨奪胎されてるものの、
完全別作品と思った方が良い作品だった。
 
全体的にはクリスティ作品とは思えないホラー風味。
でも、そのホラー感がまさか謎解きされるという、
その辺はオリジナルとして非常に見所あるところだった。
 
密室の謎解きはひどかったけどね。
 
でもまぁなかなかの雰囲気で愉しませてくれるし、
動機だったり、先ほどのホラーであることの謎解きだったり、
その辺も良かったので、オリジナルのポワロ物として捉えると、
充分な合格点だったのではないかと思う。
 

ミステリと言う勿れ

09/16(土) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。

 
原作は未読。ドラマ版は全話鑑賞済み。
 
ドラマ版が好きで、キャラクタ物として鑑賞するのであれば、
全く問題無い作品。
久能整の長広舌や面倒くさい性格は存分に愉しめる作品。
 
ただ、いくらタイトルで「ミステリではない」と主張されていようが、
ミステリ映画ファンとしては、ミステリとしての出来映えも
期待してしまうところ。
 
その意味だと、やはりイマイチかなぁ。
 
時代錯誤も甚だしいし、キャラいじりみたいなもんだし、
いったいどこまでシリアスなのか不安になるほどの苦笑物。
 
犯人指摘の一言は、あまりにも見え透いていて、
パターンへの乗せ方が下手すぎる。
(原作のせいか、脚本のせいかわからないけど)
 
おそらく相当の割合の観客には、最初から犯人が
わかっちゃうのは、ミステリ映画として成功とは言えまい。
 

准教授の遊びはこの娘の一兆円

土曜日は午前中雨だったので、午後に近場の散歩のみ。
日曜日はもう早朝でなくても大丈夫な気温になってきたので、
相模大野まで電車で出て、ブックオフ寄り道して町田まで歩いて戻るコースで。
7,919歩と16,959歩で、休日の自主的ノルマ・平均一万歩を達成。
 

1.はもうちょっとだけ続けてみることにした作品、この2巻の出来映えで判断かな。2.は巻末の参考文献がずらりと並んでることからも推察される、かなり気合いの入ったっぽい歴史漫画。
 

この店舗で探し物や掘り出し物を見つけた記憶が無いなぁ。今回もしょうがなく萩尾望都の初期短編集を。
 

今更ながら知ったけど、いつの間にか新シリーズが始まっていたんだな。海外ドラマのようなストーリー作り、ということらしい。
 

池袋スティングレイ 2巻

 
2巻はほぼまるまる入れ替え戦
 
そして、ミッションの謎解き要素が高まってきた。
 
とはいえ、謎解きとしては弱々の内容。
青山広美としては物足りなさすぎかなぁ。
 
最終の決着は最終巻に持ち越し。
 
「宿敵・水沢(みずさわ)との一騎打ちのあまりに意外な結末とは――!?」
というのが3巻のあおりだが、ここからそんなに
意外性が描けるだろうか、ちと不安。
 
打ち切りもされてるわけだろうしな。
 
まぁ個人的には最終巻見つけるのを愉しみにしておこう。