新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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推理の時間です

あなたにはこの謎が解けるか――。
法月綸太郎と方丈貴恵がフーダニットで、我孫子武丸田中啓文ホワイダニットで、北山猛邦と伊吹亜門がハウダニットで、読者皆様に挑戦します。

 
三分野で六人の推理作家による「読者への挑戦状」対決!
互いの問題を推理し合うという「推理編」の趣向が秀逸だった。
ちなみにスーパーバイザーのノリリンは全部に挑戦(結構豪快に外してたりしてて乙)。
 
タイマン勝負の形式になってるので、いつものベスト3ではなく、
それぞれの分野で勝者を選ぶ形にしようと思う。
 
フーダニット編では、ちょっと難度は高すぎるけれど、
王道の犯人当ての方丈貴恵の勝利。推理編の緻密度も良かった。
ノリリンは若干簡単すぎたのと、本人の反省にもあるように、
出題意図とは真逆の動機が成立してしまうのは、やはり疵かと思う。
 
ホワイダニット編は、やはり挑戦状形式には向かないというのを
改めて示したような形になってしまったと思う。そりゃそうだよなぁ。
その中では推理で導けるようになんとか頑張った我孫子武丸の圧勝。
 
ハウダニット編はいずれも秀作で、三分野の中で最も充実したパートになった。
ハウとしてはこちらが上だと思うし、ハウの中に別の謎をも内包した北山猛邦
非常に良かったんだけど、更にそれに加えて思い及ばぬようなホワイをも
炸裂させてくれた伊吹亜門の方を勝者としたい。本書全体でもこれがベスト。
 
こういう形式で、推理編もあってと、この趣向だけでも8点進呈!