時は『嘘喰い』完結より少し遡り、斑目貘がお屋形様に成った直後へ。
親睦会と称し夜行妃古壱立会人を部屋に呼び出し語らせたのは、若かりし日の夜行立会人初の賭郎立会。
回想の最中ギャンブラーに憑依する貘、奇妙な追憶の旅が始まる──。
いやあ、久々に嘘喰いが読めて嬉しい。
いつも通り、子供の遊びをベースにして、
命がけのギャンブルに仕立て上げ、
その上で読者の予想を超える逆転劇を魅せてくれる。
1巻で完結しているのもいい。
今回のゲームはカンダタ危機一発。
そう、元々は黒ひげの船長のやつ。
(ちなみに豆知識だけど、大元は船長を助け出すって意味で、
飛ばした方が勝ちってルールだったらしいぞ)
これがどう金と命のリスクを引き換えにするギャンブルに
化けるのか、そして勿論、それがどんだけエグいのかってのは、
いつもながらの嘘喰いで満足。
逆転劇としてはあっさり気味だけど、1巻完結だし、
このくらいで丁度いいのかな。
このフォーマットなら続ける余地がいくらでもあるし、
そういう雰囲気のラストだし、もっと読ませて欲しいなぁ。