新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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教室が、ひとりになるまで

 
「六人の嘘つきな大学生」で大ブレークした作者の出世作
本作で、本格ミステリ大賞日本推理作家協会賞にWノミネートされたことで、
ミステリ界隈では着目されたものだった。
 
結局そのときも、「六人の」のときも、読み損ねてしまってて、
ようやく宿題を一つ片付けた気分。
 
この刊行年に集中した異能バトル物の既読三作の中では、この作品が一番良かった。
(残り二作は安萬純一「滅びの掟 密室忍法帖」と詠坂雄二「君待秋ラは透きとおる」)
 
唯一バトルとは言い難い作品なんだけど(だって主人公達の能力って
「嘘を見抜ける能力」とか「人の好き嫌いがわかる能力」とかだもんな)、
謎解きが勝利条件みたいなもので、そこにちゃんと伏線が張ってあるのが良い。
これがあることで、ちゃんと納得できるし、良質のミステリとして成立してる。
 
というわけで、採点は7点。
 
ところで、一つ疑問点。
能力の継承者がランダムに選ばれる場合もあるんだけど、               
そのときって手紙書く人いないから、条件とか伝わらないよね。
能力と一緒に説明文書も自動的にヌッと登場する仕組みなのかしら?