大逆転
タイトル通り、ドンデン返しをテーマにしたアンソロジー。
ドンデン返しがあるというだけでも、ちょいネタバレ気味だけど、
それに充分耐える作品が揃ってる。
ただ、個人的には収録作六編の内、半分が既読で、
それがそのままベスト3だったのが残念。
ベストはもうダントツ。
鮎川哲也の犯人当て二大傑作(ということは日本ミステリ短編の
犯人当て二大傑作と言っても過言では無いだろう)の一つ、
「達也が嗤う」だからな(ちなみにもう一作は「薔薇荘殺人事件」)。
第二位は「母の務め/曽根圭介」
幾つかのミスリードを重ねて、逆転を演出してる技術が巧み。
第三位は「四〇九号室の患者/綾辻行人」
もう古典とも思えるくらい、一つの定型のような作品。
未読だった作品の内、どれか一作選ぶとすれば、
「裂けた繭/矢樹純」だろうな。
ちゃんと逆転が愉しめる作品ばかりだったし、
「達也が嗤う」が載ってるってことも加味すると、8点確保だな。