新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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贈る物語 WONDER

贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに (光文社文庫)

贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに (光文社文庫)

綾辻行人編のMYSTERYはあまりにも初心者向けで既読作品ばかり。
宮部みゆき編のTERRORはコンセプトの割に中途半端な作品ばかりで肩透かし。
というわけで、シリーズ中では本作がベストだと思う。
 
王道中の王道といえば「太陽系最後の日」くらいだと思うし。
個人的には「愛の手紙」もそうだと思いたいけど、そこまでは浸透していないだろうから、
こういうアンソロジーに掲載されるのは大歓迎。
乱歩自体は王道でも「鏡地獄」だし。でもWONDERという主旨だと納得。
 
その他初読の作品達は、決して傑作とは言えない小品ばかりではあるのだけど、
全体でなんとなく雰囲気が形成されてて、たしかに「すこしふしぎ」のコンセプトに
合ってるのかなぁと思えたのが好印象。
 
というわけで採点は7点にしちゃおう。
 
ベスト3は王道入れちゃうと他が入る余地無くなっちゃうんで初読限定で。
ベストが「托卵」平山夢明。第二位が「夏の葬列」山川方夫。第三位が「窓鴉」式貴士
 
ところで「江戸宙灼熱繰言」は解説欲しかったな。
宇宙戦争」「狙われた街」「エイリアン」「E.T.」「スター・ウォーズ」「アルマゲドン」かな?