好きです、死んでください
意外に掘り出し物だった「トリック・トリップ・バケーション」の作者。
久しぶりに本ミスのランキングで見かけたので、そりゃあ読まなきゃと。
恋愛リアリティーショーと孤島ミステリの融合。
前者も単純なリアリティーショーではなく、推理劇が組み込まれているので、
メタ的な要素も感じられる。更に恋愛リアリティーショーを観ている中入りでの
外枠の構造もあったりして、更に複層にメタ展開している。
犯人設定自体は想定通りではあったけど、
もう一つの仕掛けに関しては、なるほどと納得させられた。
「トリック……」の時にも感じられたが、やはりセンスの良さが感じられる。
伏線もロジックも仕掛けも、本格ミステリとしての心地良さを覚えるのだ。
今回は幸い変なハウダニットも無かったし。
ちょっぴりおまけ気味で採点は8点にしちゃおっと。