新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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探偵ゼノと7つの殺人密室 1巻

 
シリ漫続(しりまんぞく)キャンペーン、このシリーズで最後。
 
美味しい物は最後まで残すタイプの人間なので、
期待感でいったら、実はこれが大本命だった。
評判も良さそうだし、漫画界の館シリーズみたいなもんかと。
 
まず、お披露目の第一話だけど、なんか根拠なさすぎ決め付け推理でちょっと萎える。
でも、まぁ本番は7つの殺人密室なわけで、そこに期待を繋ぐ。
 
ってぇわけで、蓋を開けてみると、タイトルに示されている通り、
”密室殺人”ではなく、”殺人密室”だった。
あらかじめ館自体に殺人トリックの仕掛けが施されてるという大前提だったのね。
 
う~ん、これはあらかじめ”叙述トリック作品”だと知らされて読むミステリみたいで、
味気ないことはなはだしいもんになってしまいそう。
それがわかってても騙される作品という秀作は数多いけれど、さて、本作はどうか。
 
おそらくストックの中でも最上位レベルの一つを出してくるであろう
第一の事件なのに、この「墓標館の殺人」のトリックは、あまりにもわかりやすすぎ。
 
う~ん、相当に気合いの入ってるはずの第一の事件がこれでは、
意想外に期待外れだったかも。既に買ってある2巻に望みを繋いではみるが。