十戒
一般にも大きく知られることになった「方舟」同様、
特殊状況下の連続殺人という、設定の生み出す興味を持続しつつ、
意外性にも意を用いた作品。
当然「方舟」ほどの衝撃は無いにせよ、
一般の読書家にもそれなりの面白さは提供できているだろう。
とはいえ、そんな真相がどうのこうのよりも、
やはりミステリファンは途中で展開される、
ホワイダニットを軸に展開されるロジックの美しさに惹かれるはず。
最近漫画版で読み返した「孤島パズル」の地図のロジックを
想起してしまったほど。
そこまで小さい手がかりでは無く(あからさまではあるので)
ダイナミックさも薄くはあるけれど、
今年読んだロジックの中ではピカイチの出来映えだと思う。
これが一つあるだけで、個人的には強く評価に値するので、
採点は8点としたい。
今年はまだ8点付けてなかったので、これが暫定一位だな。
これでこれまで読んだ氏の作品三作全て8点評価になるな。
読み逃してる二作も読むべきか?