孤島パズル 1~3巻(完)
原作は「日本ミステリ・ベスト30」にも選んでる作品。
国内ミステリの最高のシリーズは、綾辻の館シリーズではなく、
この有栖川有栖の学生アリスシリーズだと私は思う。
現在までの全四作、そのいずれもが歴史に残る名作揃いという、
クイーンの悲劇四部作のように、世界に誇れるシリーズ。
5部作という構想なので、最後の一作がいつ書かれるかが愉しみ。
一般には三作目の「双頭の悪魔」の評価が高いが、個人的なベストは本作。
すっかり内容は忘れきっていたけれど、これでおさらいが出来て良かった。
ささいな手がかりからの完璧なロジックで導かれる犯人当て。
(学生アリスシーズの最大の魅力はここにある!)
ハウダニットではなく、ホワイダニットで解かれる密室の謎。
得意のダイイング・メッセージを隠し味として使うアレンジの妙。
最初に読んだ当時ほどの感激は無かったが、やはり名作であることは追認識。
各巻に1編ずつ短編も収録されているが
(1巻から順に、「ハードロック・ラバーズ・オンリー」
「瑠璃荘事件」「壁抜け男の謎」)
その中でのベストは「瑠璃荘事件」かな。