新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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東京創元社2020年新刊ラインナップ説明会レポ(第一回:レポ前半戦)

レポ書くの遅くなってしまいましたが、ちょうど一週間前の2月13日に行ってきました。
ちなみに昨年のレポは、第一回第二回第三回第四回番外編の大作。今年は全三回で。
 
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左上から、司会の池澤春菜嬢、相沢沙呼先生、吉澤康子先生。
左下から、遠田潤子先生、近藤史恵先生、凪良ゆう先生。
 
まずは国内ミステリ編。
最初の作者登場は、今をときめく相沢沙呼先生。
話題はやはり三冠の「Medium」と、橋本環奈主演で映画化される「小説の神様」。
元IT系の技術者で、疑い深く、ネガティブで、どちらも最初は信じ難かったとか。
これらが決まった後で引いたおみくじが三回連続凶で、明日死ぬんじゃないかと思ったとか。
とはいえ、話題の作品はどちらも講談社
創元社の新作「ラプンツェルプレッツェル」は酉乃初シリーズで、より本格要素は高めだとか。
2020年12月発売予定だけど、現在の進捗率は25%。来年のラインナップまでには間に合ってるか?
 
次の作者登場は近藤史恵先生。
作家生活26年目に突入。ラインナップ紹介では「マカロンはマカロン」の7月文庫化だけど、
続巻の新作の取材のため巴里に行って、野ウサギを食べてきたという話。
新作だけでなく、この取材自体も旅行エッセイとして、東京創元社より発売されるそう。
 
三番目の作者登場は遠田潤子先生。
「冬雷」が4月文庫化だけど、新作「椿島」も秋発売予定。
「冬雷」は嵐が丘みたいな作品をというリクエストで、やりたいことを全部やった作品。
やりたかった鷹匠を主人公に、釣り合うようにヒロインはインパクトのある巫女で、
館物の要素も欲しいというリクエストにもお応えして。
着想の基本はモチーフから。新作で云えば「椿」「玉手箱」「女系一族」の三題噺。
ミステリにしなきゃいけないから、それからなんとかするそうな。
 
その他紹介された作品は逸木裕「銀色の国」。今村昌弘の新作も出るということだったけど、
ラインナップのリストには無いので、作者はおいといて(笑)、東京創元社としての希望なのかも。
 
お次は海外ミステリ。
やはり最初に紹介されるのは、二回連続三冠に輝くホロビッツ
「メインテーマは殺人」に続くシリーズ第二弾「The Sentence Is Death」
 
続いて訳者登場で吉澤康子先生。
作品はラーラ・プレスコット「あの本は読まれているか」(邦題決まったばかり)。
23社が参加したオークションで、出版権だけで200万ドルで落札された作品。
印税や翻訳権その他諸々を考えると、一冊で一生もんやな。映画化も絶対ありそう。
共産圏の禁書をソ連国民の手に渡し、国家の迫害を知らしめるという
危険任務に挑む女性達を描いてるらしい。
その本の題名が、かの「ドクトル・ジバゴ」、あの名曲が思い出されるね。
 
その他紹介された作品はイアン・ピアーズ「指差す標識」。
 
残りのラインナップ紹介は駆け足で。
 
ファンタジー分野は去年同様配られたレジュメの読み上げだけ。本までつまらなく思えるプレゼン。
雪乃紗衣Mystic」、乾石智子「イスランの白琥珀」、フランシス・ハーディング「熊憑きの少女」
 
SF分野は創元SF短編賞受賞作を含む「Genesis2020」、ガレス・L・パウエル「Embers of War」、ユーン・ハ・リー「ナインフォックスの覚醒」、チャーリー・ジェーン・アンダース「空のあらゆる鳥を」、N・K・ジェミシン「第五の季節」
 
その他分野はコリン・ブッチャー「モリー、100匹の猫を見つけた保護犬」、シェーン・バウアー「アメリカン・プリズン」、ケイト・アトキンスン「ライフ・アフター・ライフ」
 
ここで一旦休憩へ。残りは後半戦で。