そりゃやっぱり、両先生に倣って、自分も創元推理文庫の神7なるものを選んでみたくなるっしょ。
(作者名・作品名は自分が買った当時の表記で記載しています)
【 私の神7 】
- アガサ・クリスチィ「ABC殺人事件」
もうこれは不動の一冊。初めて自分の小遣いで買った大人の本、初めての文庫本が本作なのだから。
そしてその次も絶対に忘れられない「アクロイド殺害事件」。これらの衝撃といったら。
自分のミステリ人生を決定付けた創元推理文庫、中でもその最初の一冊としてこれだけは落とせない。
- ディクスン・カー「皇帝のかぎ煙草入れ」
一番好きなミステリ作家はどうしてもカーになる。
ハヤカワ・ミステリ文庫と創元推理文庫、どちらかだけでは全て賄える状況ではなく、
それぞれで集めるしかなかったので、自分が買った版がそのイメージになってしまう。
だから、自分の中では「三つの棺」はハヤカワで、「皇帝」が創元なんだよなぁ。
- エラリー・クイーン編「ミニ・ミステリ傑作選」
クリスティ、カーと来たら、残る三大巨匠の一人を挙げるしかないわけだけど、変則技で。
創元推理文庫のクイーンは、国名やレーン四部作以外に、編集者として選んだ傑作選も忘れられない。
中でもベストは、間違いなく、この本だな。掌編ミステリの真髄がたっぷりと詰まってる。
- 江戸川乱歩編「世界短編傑作集1~5」
ミステリ読みとしてのバイブルを挙げよ、と言われたら、躊躇なくこれを挙げることになる。
初心者を打ちのめす傑作達の目白押し。中でも1冊だけを選べと言われたら、
バークリー「偶然の審判」、ダンセイニ「二壜のソース」が収められた3巻だな。
- エドガー・アラン・ポオ「ポオ小説全集1~4」
ここまで三大巨匠に乱歩という、神7にふさわしい神ばかりを選んできたわけだけど、
彼らを統べる最高神といったら、やはりポオになるだろう。
怪奇と冒険小説部門からは、自分にとってのもう一つのバイブルである、これを選択。
- フレドリック・ブラウン「未来世界から来た男」
自分にとっての最高のショート・ショート作家は星新一ではなく、この人。
「まっ白な嘘」(特に「叫べ、沈黙よ」)もいいけど、やはり本作を挙げたい。
創元推理文庫SFマークの第一弾となった記念すべき一冊であることも、神7にふさわしい。
- アイザック・アシモフ「銀河帝国の興亡1~3」
自分にSFを教えてくれた先生といったら、やはりアシモフということになると思う。
ミステリとSFを繋いでくれたという意味でも、創元推理文庫の神7にふさわしい。
SF界の神の代表作でもある本書を、SF部門の代表として挙げておきたい。
ミステリ部門が4編に、SF部門が2編、怪奇と冒険小説部門から1編、と
自分の趣味を反映したバランスになってるな、よし。
しかし、結局いざ選んでみると、神7はホントに神様ばかりになっちゃった。
ポオ、カー、クリスティ、クイーン、アシモフ、ブラウン、乱歩、もう、みんな神。
これじゃあまりにも面白みがないので、「私の裏7」も選んでおこう。
裏っていっても、べらぼうに大好きな作品ばかりだからね。
【 私の裏7 】
- アラン・グリーン 「くたばれ健康法!」
- G・K・チェスタトン「ポンド氏の逆説」
- シオドー・マシスン 「名探偵群像」
- ハドリー・チェイス「切り札の男」
- アルフレッド・ベスター「分解された男」
- レイ・ブラッドベリ「10月はたそがれの国」
- フレドリック・ブラウン編「SFカーニバル」