白薔薇殺人事件
「犯人当てミステリの大傑作！」って売り文句に騙された。
そういう意識で読んじゃうと、きっと満足感は得られない。
まともに犯人当てになってるわけじゃない。
まだしも昔の事件の方は色々と考察（ひいき目で見て推理）は
入ってるものの、肝心の事件の方はゆるゆる。
犯人解明後もかなりのページ数あったから、
後付けで特定の論理が出てくるんじゃないかと
変な期待しちゃったじゃないか。
まぁ作者の意識としては、もともとそんなもんだったんだろうし、
作者に文句を言いたいわけではない。
あくまで東京創元社の販売戦術の罪ってことに尽きるんだろうな。
そういうつもりで読まなければ、なかなかミステリしてるやん、
と好感を抱けるくらいの作品。
でも、ああいう惹句が無ければそもそも読んでないだろうから、
短期的な視点では戦術は成功なんだろうけど。
採点は海外物バイアスをかけて、ようやく７点といったところ。
