新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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東京創元社2019年新刊ラインナップ説明会レポ(第三回:レポ最終戦)

トークショーの後は、映像化情報紹介。予告編映像などが流された。
 
まずは「HHhH (プラハ、1942年)」を映画化した「ナチス 第三の男」。
続いて「移動都市」をリング三部作のピーター・ジャクソンが映画化した
「移動都市/モータル・エンジン」、超大作なので、これはヒットしそうだ。
ロンドンが移動して攻めてきて、他の都市を喰らい尽くすという、冗談みたいな展開がイカす。
最後は映像は無かったけど、「シスターズ・ブラザーズ」の映画化の話。
 
ここからは「屍人荘の殺人」映画化の話になっていくんだけど、その前に、
東京創元社キクボン!とがコラボして、新人文学賞の受賞作品をオーディオブック化
しているらしく、声優の浅井晴美氏を迎えての「魔眼の匣の殺人」冒頭部分の生朗読。
いやあ、これは耳福だった。語り手毎に声色を変えての演劇的読み語りは鳥肌物だった。
 
そこからいよいよ東宝プロデューサーの臼井真之介氏と今村昌弘先生を迎えてのインタビュー。
 
「怒り」「追憶」「亜人」「ラプラスの魔女」「散り椿」などをプロデュースしてきた
臼井氏の若さに驚かされる。腰低いけど、超やり手なんだろうなぁ。
ミステリとは関係ないけど、岩井俊二「Last Letter」という作品も今年プロデュースされてるみたいで、
「Love Letter」と呼応するような作品なのかな、と俄然興味を抱いてるところ。
 
今村先生は、まだ売れたことを実感できていない、朴訥とした好青年みたいな雰囲気。
まだプレッシャーがあるけれど、前作を簡単には越えられないことは自分自身でも受け止めてて、
自分の書きたい物を書くしかない、と語られてました。
 
この作品の映画化の話は、去年の三月頃、何社かから一斉にあったらしい。
その中から一番強くプッシュしてきた東宝に決定。
トリック劇場版シリーズを手がけていた蒔田光治氏が脚本で、
トリックドラマ版などで堤門下で鍛え上げられてきた(?)木村ひさし氏が監督。
 
今村先生は先月撮影現場に行かれたらしく、主役の神木さんに気さくに話しかけて貰って、
感動した話などされました。
 
そこからなんと会場に来た人限定での、神木隆之介浜辺美波の両主演からのビデオメッセージ。
 
その後の企画としては、営業部からのご案内(文庫創刊60周年フェアの紹介)、
質疑応答がちらっとあって、写真撮影タイム(第一回に載せた写真)を経て、サイン会へ。
 
最後にサイン会でのやりとりを(言葉の詳細は覚えられてませんので、言質は取らないでくださいね)。
・酉島伝法先生(デザインっぽい文字で書いてくれました)
小林泰三先生(「『ドロシイ殺し』は新たなパターンで驚かされました、と話しかけたところ、
 担当編集の方から、『ティンカーベル殺し』もまた新たなことをやってくれていますよという話と、
 先程誰が誰を殺した、という話が出てましたけど、そこはそれ……と、まだまだ裏がありそうです)
北村薫先生(『空飛ぶ馬』を持っていってたので、御本人とは関係ない話にはなりますが、
 「この装丁で『白樺荘事件』も読みたかったんですが」と話しかけてみましたが、
 「そうですねぇ」と少し言葉を濁らされていました)
・今村昌弘先生(「『魔眼の匣の殺人』は以前から構想されてた話なんですか」と伺ったところ、
 「いえ、今回なんとか考え出しました」みたいな御本人の言葉と、「応募した際には本人もここまで
 売れるとは思ってもいませんでしたので」という担当編集さんの言葉が返ってきました)
 
と、レポはここまで。長々とお付き合いしてくださった方がいらっしゃいましたら、お疲れ様でした。
 
で、次回はいただいた資料の中から、私個人が注目している新作をピックアップして紹介を。