新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

三体X 観想之宙

 
ファンによる二次創作なんだけど、全く違和感なく、
正編としても十分納得できるだけの出来映え。
 
作者公認の公式スピンオフで、ほぼ本編と同じ形態での
出版だもんね(日本だけでなく、本国も同じような形態らしいし)
 
もう三体はこういう話なんだと、自分の中には
すっかりインプットされちゃったよ。
 
こういう成功例が出てきたからには、
このパターンがちょいと流行ったりしないかな。
SFは特にもどかしいくらいの謎を残したままにしてくれる
作品が多いジャンルだと思うから、嬉しい試みだと思う。
(とはいえ、ネット界では既にこういう二次創作が溢れてて、
 これは特別な頂点だからこそってだけで、アホな期待するな、なのかな?)
 
個人的には、特に第一部「時の内側の過去」が
「三体Ⅲ 死神永生」の示してくれたロマンに対しての、
唯一の不満点だったところを見事に救ってくれたのが、なんとも痛快。
 
気持ちの良いスピンオフだった。満足至極。