ペッパーズ・ゴースト
クセがスゴくない伊坂作品。
「作家生活20周年超の集大成となる一大エンターテインメント長編!」
という謳い文句になってるが、これは伊坂初心者向けの作品ではないだろうか。
20周年付き合ってきたファンには物足りない作品なんじゃないかと思う。
全体的に盛り上がりに欠ける。
主人公の教師が完全に巻き込まれ型で、消極的すぎなのが、
その一つの要因だろうか。
伊坂特有の理不尽な暴力も、描写がぬるすぎる。
(これはヘタレな自分には、むしろ歓迎ではあるけれど)
伊坂特有のキャラクタ造形やユーモア感もひっくるめて、
ネコジゴハンターの二人に集約されてて、その他に魅力が無さすぎる。
ラストに展開されるホワットダニットやホワイダニットも、
なんか、すっきり「そうか!」とは思わせてくれない。
最後まで読ませてはくれるけど、
ちょっと気の抜けた伊坂作品って感じだったな。
一応ミステリには分類可能だろうな。採点は6点どまり。