- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/03/07
- メディア: 単行本
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車が語り手という着想の妙。
その着想から生まれた語り口に、様々な言葉遊び。
氏特有の理不尽な暴力要素も無いに等しく、
広く一般にお薦めできる伊坂作品だとは思う。
でも、まぁ、若干甘いかなぁ。両方の意味合いで。
内容のSweetさだけでなく、書き方の甘さみたいなものを感じる。
引き込まれる力が、他の伊坂作品に比べて足りない。
ほのぼのではあるけれど、飄々としたとぼけた味わいとは、ちと違う。
車を語り手にしたが故の言葉遊びの類に、作者本人も遊んでいるようで、
たしかに面白くはあるんだけど、薄っぺらさにも若干繋がってるような印象。
お上品だけど薄口すぎる、京料理のような(って勝手なイメージだけど)伊坂作品。