その街には、どんな願い事もかなえてくれる魔法の靴屋があるという。ある者は大切な人の幸せを想い、またある者は残酷な復讐を心に誓い、それぞれの靴に願いを込める。その歩みが導くのは、光輝く未来か、暗闇の中の絶望か…。幻想的な雰囲気で贈る極上のファンタジー連作を4編収録。
おお、これは意外な掘り出し物だった。
”秘密のお店”(多分何かジャンル名称みたいなものありそうだけど)という
ファンタジー物によくある設定には、秀作が多かったりする印象があるが、
これもそのうちの一つに数えて良い作品だと思う。
(大抵は一期一会の店なので、本書では秘密感はないという違いはあるけど)
りぼんファンタジー掲載の1,3話がいい話系の沁みる話、
ジャンプスクエア掲載の2,4話が結構辛辣な話。
そういうカラーの違いはあるが、全ての作品にツイストが仕込まれていて、
サプライズを感じられる、広義のミステリ構造を取っている。
一番好きな話は第3話「ーLost angel shoesー」だな。
とあるホワイダニット(車椅子の理由)に心痺れた。