新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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イヴリン嬢は七回殺される

イヴリン嬢は七回殺される

イヴリン嬢は七回殺される

 
「館ミステリ+タイムループ+人格転移」という、特異な構成の本格ミステリ
 
西澤保彦の「人格転移の殺人」と「七回死んだ男」を、同時に読んでるようなもので、
しかも登場人物がさっぱり頭に入ってこないので、読み辛さは半端ない。
こんなに面白い設定の作品なのに、結構苦行に近い読み味。
もう途中からは、どの特性の人だっけってことは、あまり気にせず読むことにしちゃった。
 
探偵側がこんだけこんぐらかってるのに加えて、
事件の真相自体もとってもこんぐらかったものだったりするので、
IKKOさんだったら途中で何度も「どんだけ~」って叫んでいたと思うぞ。
 
そんなこんなで、読み辛さは置いといて、設定は凝りまくってて、
館ミステリとしても、かなり手の込んだ作品に仕上がってるので、
高評価で構わないんだけど、一点だけどうしても引っかかる。
 
イムループ物としては珍しく、その理由設定もされてるんだけど、
前提をすっかりひっくり返すような、かなりナナメ上の真相だったりする。
 
それを踏まえて、これってハッピーエンドってことでいいの?!
……ってのが、どうしようもなく引っかかる。
 
とりあえず海外物加点含めて、8点は付けるけど。
 
というわけで、2019年度の順位表も更新。