- 作者:タートン,スチュアート
- 発売日: 2019/08/09
- メディア: 単行本
「館ミステリ+タイムループ+人格転移」という、特異な構成の本格ミステリ。
西澤保彦の「人格転移の殺人」と「七回死んだ男」を、同時に読んでるようなもので、
しかも登場人物がさっぱり頭に入ってこないので、読み辛さは半端ない。
こんなに面白い設定の作品なのに、結構苦行に近い読み味。
もう途中からは、どの特性の人だっけってことは、あまり気にせず読むことにしちゃった。
探偵側がこんだけこんぐらかってるのに加えて、
事件の真相自体もとってもこんぐらかったものだったりするので、
IKKOさんだったら途中で何度も「どんだけ~」って叫んでいたと思うぞ。
そんなこんなで、読み辛さは置いといて、設定は凝りまくってて、
館ミステリとしても、かなり手の込んだ作品に仕上がってるので、
高評価で構わないんだけど、一点だけどうしても引っかかる。
タイムループ物としては珍しく、その理由設定もされてるんだけど、
前提をすっかりひっくり返すような、かなりナナメ上の真相だったりする。
それを踏まえて、これってハッピーエンドってことでいいの?!
……ってのが、どうしようもなく引っかかる。
とりあえず海外物加点含めて、8点は付けるけど。
というわけで、2019年度の順位表も更新。