時空犯
時間ループ物と本格ミステリの融合。
とはいえ、実質はガチガチの本格ミステリ。
ミステリとしてのロジックを構築させる状況として、
時間ループ物が使われているという構造だな。
時間ループ物としては結構ユニークな展開。
既に千回近く巻き戻しされているという設定だけど、
実際に描かれるループ数としては、極端に少ない。
時間物としては珍しく、そのループを起こさせる存在が
描かれるのもユニーク。
ただ、これ自体はSFとしてはイマイチかと思ったけどね。
ループの際の情報が鍵となって展開されるロジックは
なかなかの読み応え。
意外性とかそういうのはそんなにはないけれど、
本格ファンとしては嬉しくなるような作品。
採点は結構満足の7点。