- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/10/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ほぼ倒叙物の構造を取っているのに、
ハウダニットは明確には描かれずに、
いかにもミステリとしての企みを内包してそうな作品。
これって、あの作品と構造が非常に良く似ている、
と読んでる間ずっと思ってたら、その意味もある作品だった。
東野圭吾の小説世界と二転三転するミステリ展開が融合した良作。
ただ、ある人物像ががらっと反転してしまうなど、
好みによって読後感を大きく揺さぶる要素があるので、
賛否両論分かれてしまうだろう。
また、この結末の選び方では、
かえって罪を大きくする方向にしかならないと思え、
もっと何かやりようがあったんじゃないかと、
釈然としない思いが残ってしまった。
あの作品を踏まえてのこの結末は正しかったのかと。
その辺のもやもや感で点が減じられ、採点はわずかに6点止まり。