あっ、偉そうに東野圭吾語ったりしてたけど、
上で最高傑作として挙げられてる「白夜行」「手紙」は
選び抜いたように読んでないや(苦笑)
なので、それらと比べることは出来ないんだけど、
比べるまでもなく、最高傑作の1つに数えるというほどの作品ではないだろう。
とはいえ、さすがにこの作品を器用なだけの作品と評するつもりは一切無い。
非常に綿密に組み上げられ、重層に築き上げられた作品。
被害者家族と加害者家族というテーマの描き方も良い。
(深みこそ、さほどではないにしても、こういう構図の描き方が巧み)
本格ミステリというよりは捜査小説としての手筋ではあるが、
充分な意外性を持って暴かれる、秘められた真相。
ミステリファンというよりは、一般の読書好きの方々を
あまねく満足させてくれるだろう、読み応えのある作品。
読み物としては紛れもなく、作者の上位に挙げることの出来る作品の一つ。
但し、本格厨の私としては、採点は8点にギリ届かない7点。