新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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希望の糸

希望の糸

希望の糸

  • 作者:東野 圭吾
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: ペーパーバック
 
殺人事件としてはあっさりしすぎてるんだけど、
人情ミステリとしての全体の組み上げ方が、流石の東野節。
 
ストーリーの中で、隠されていた謎が暴かれ、
それが心理を紐解き、読み手の感情に刺さる。
 
本格ミステリ偏愛主義者というわけではない
ミステリ読者や、一般の読書愛好家にとっては、
こういう作品こそが良いミステリなんだろうなと、
皮肉ではなく、素直にそう思えるような作品。
 
加賀恭一郎シリーズとしては、もう書き尽くしただろ、
と思える状況の中で、従弟の松宮修平を表に立てて、
更に拡がりを見せてくれるというのも、
東野読者にアピールするポイントだろう。
 
父娘物でもあるので、採点は7点に比較的近い6点。