- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ストーリーと答の出ない問題提起を
じっくりと味わい尽くす作品。
様々な観点が与えられてはいるが、そもそも正しい答など
あるはずもない命題なので、結局は読者に委ねられてしまう。
それでも、結構ずっと共感しながら読んでたんだけど、
ある重要人物(主人公の元妻)の印象が最後になって変わってしまって、
個人的には共感度が急激に失速してしまった。
その主張はあまりにもゴリ押しすぎるのではないかと。
また、ミステリとして読むには、作品としては弱い。
これまたある人物(医者の妻の父親)の印象が、
最後になって、あまり説明も無く変わってしまうし。
これらの重要人物の印象の変化が、読後感を悪くしているので、
採点としては6点。
ちなみに、ミステリ以外ではブログの場であまり主張はしないことに
している自分だが、死刑廃止には反対の立場を取る。
遺族意識と抑止力効果の両面から。
本書でも重要観点として示されてる再犯防止の面も含めて。
ギリギリまで譲歩するとしたら、「絶対無期懲役」みたいな刑が必要。
どんなことがあっても恩赦や仮釈放の対象に絶対になり得ないことが
保証されるべき罪があると考える。
(冤罪が証明された場合を除く)
遺族意識としてはそれでも報われないとは思うけれどね。