- 作者: 日本推理作家協会
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/05/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いつもなら大体納得できるはずの協会賞受賞作が、どちらもそれほどには思えなかった。
大石直紀「おばあちゃんといっしょ」は、ミスリードの手法が弱いと思う。
永嶋恵美「ババ抜き」は、たしかに読んでて愉しい作品だったが、
そんな強いツイストでもないし。
そんな薄い印象の本書の中では、
やはり本格畑の私が選ぶとすれば、ベストは伊吹亜門「監獄舎の殺人」だな。
ホワイダニットは読めはするのだけど、その先にもう一段待っている。
第二位は芦沢央「絵の中の男」。
昨年度の「許されようとは思いません」に引き続き、
これまたホワイダニットの傑作。
去年落ちたのも不思議だったけど、今年も協会賞これで良かったのに。
第三位は榊林銘「十五秒」で。
冗談小説のように見えて、企みがいっぱい盛り込まれてる。
こんな作品で最後は切なさ感まで演出出来ているのが見事だと思う。
ま、ミステリとしては薄めの作品ばかりだったので、
裏ベストとして秋吉理香子「リケジョの婚活」も挙げておこうかな(笑)
今年は残念な出来映えだったので、採点は6点。