新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ザ・ベストミステリーズ2017

ザ・ベストミステリーズ2017

ザ・ベストミステリーズ2017

推理作家協会賞は大抵納得の作品が多いものだが、この年はそうでもないかなぁ。
薬丸岳「黄昏」はたしかに情緒的な面ではくすぐられる作品だけど、
意外性的な要素は例年の受賞作に比べると薄かったと思う。
 
個人的なベストは大崎梢「都忘れの理由」で。
タイトルに「理由」とあるように、ホワイがすっと降りてくる感触が、
情緒的なシーンに美しく収まっていて、読後感が素晴らしい。
 
ベスト3の残り二作は、ミステリ性の高さから、
ベスト本格ミステリ2017とも被っている二作品
似鳥鶏「鼠でも天才でもなく」
井上真偽「言の葉の子ら」
になってしまうかなぁ。
 
それこそ倉狩聡「もしかあんにゃのカブトエビ」は、
こちらの選集にこそふさわしかったと思うんだけどなぁ。
 
私の採点だと、この年はベスト本格ミステリの方の勝ち。
採点は取りあえずギリギリの7点で同じにはするけれど。