五人目の告白: 小林泰三ミステリ傑作選
収録作品は、「獣の記憶」「攫われて」「双生児」
「五人目の告白」「独裁者の掟」「籠城」の六編。
ミステリ傑作選と銘打たれているが、純粋にミステリと思えるような
作品は無く、グロ度も含めて、ホラーな感じの作品ばかり。
サイコホラーな作品が偏って収録されてたりもあって、
SF編、ミステリ編、ともにあまり良いセレクトとは思えなかった。
他に選びようがなかったというはずはないからな。
「モザイク事件帳」の方がよっぽどミステリ傑作選になってるやろ。
全編ツイストが盛り込まれてはいるんだけど、個人的には
余計な回し方もしてるように感じられて、すっきり感が薄かった。
まぁこの中から無理矢理ベストを選ぶなら、
迷うこと無しに、本書中一番爽やかな「独裁者の掟」だな。
第2位はツイストの着想としてはベストな「双生児」で。
ラストの描き方が上記述べたように余計な回し方に思えたので、この位置で。
同じく余計な回し方をしまくってる感じの「獣の記憶」が第3位で。
傑作選としてのセレクトには大きな不満を覚えるので、採点は6点。