新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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SRの会投票コメント

書いたぞ。送ったぞ。

1位: 扉は閉ざされたまま   石持浅海
2位: 神様ゲーム       麻耶雄嵩
3位: 容疑者Xの献身     東野圭吾
4位: 摩天楼の怪人      島田荘司
5位: シナオシ        田代裕彦
6位: 弥勒の掌       我孫子武丸
7位: クドリャフカの順番   米澤穂信
8位: 交換殺人には向かない夜 東川篤哉
9位: セリヌンティウスの舟  石持浅海
10位:ゴーレムの檻       柄刀一
 
 私が上位に挙げた作品達には、ある奇妙な
共通点がある。例年に比べて決してレベルの
高くない年だったにも関わらず、この一点を
持って長らく記憶される年になるだろう。
 その共通点とは、
「”倒叙”という仕組みを、
 極めて巧みに”本格”に組み入れた作品」
             ということだ。
 その代表作が1と3だろう。いずれも形式
は完璧に倒叙物でありながら、前者はロジッ
クで、そして後者はトリックで、極めてスリ
リングな”本格の愉悦”を付加してみせた。
 一方、ラノベ界にも倒叙形式から時間物の
複雑巧緻なロジックを展開させた5が登場。
 明らかな倒叙形式ではない作品にしても、
2は「始めに無条件に犯人が示される」とい
う図式であり、4も犯人自身が語る幻想的な
謎を解き明かす物語であった。
 6さえもある意味……(フェードアウト)