謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー (講談社タイガ)
- 作者: 東川篤哉,一肇,古野まほろ,青崎有吾,周木律,澤村伊智,文芸第三出版部
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/09/21
- メディア: 文庫
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とはいえ、新本格とは無縁(?)の、新本格以降の若手作家によるもの。
それぞれの個性は出てるんだろうと思うが、
記念アンソロジーなんだから、もっと「新本格」に寄せてはどうかと思ってしまう。
今時の若手には、そういう本格の遊び心は根付いてないということなのかなぁ。
ベテラン勢の「七人の名探偵」が目を見張るほどの出来だったのに比べると、
余計相当に見劣りしてしまう。
ちゃんと新本格の系譜で勝負してきたと思える二人の作品が、
本作の中ではずば抜けている。
ベストはもちろん青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」で決まり。
これこれ、こういう外連味の遊び心こそ、新本格の醍醐味だよね。
第二位は周木律「煙突館の実験的殺人」で。
懲りすぎてすっきり具合に欠けるのでこの順位としたけど、
これも本格の稚気に満ちた作品だと思う。
他はこの二作に比べると大幅に目劣り。
東川篤哉は新本格じゃなくて、これは赤川次郎でしょ。
一肇は倒叙形式だし、印象に残らない。
古野まほろはいったい何? この文体。気持ち悪い。
澤村伊智は変なお話。好きな人は好きかもしれないけど。
やっぱ7点は付けられない。採点は6点。