ベスト本格ミステリ2018

粒はそこそこ揃ってはいるけれど、いつも何かしら物足りなく感じてしまって、
もっと他にいろいろありそうな気はするんだけど、雑誌とか読まないし、
まぁそんなものかしらんと、いつも心に収めていたが、今年の収録作を見たら、
やっぱ違うんじゃん、厳選されてるわけじゃないやん、と確信を持てた。
 
本格ミステリのベストを見せましょう、というコンセプトでは無かったんだな。
決してベストというわけではないけれど、いろんな作品を拾いあげて、
幅広くお見せしましょう、というようなコンセプトだったんだろうか。
 
だって、そうでなきゃ、昨年度屈指の超高品質書き下ろしアンソロジーである
「7人の名探偵」から、一作も選出しないなんて、あり得るはずがないもの。
(しかも自社なのに。いや、自社だからこそ、の戦略とかあったりするのかな)
 
なんか大人の事情があるのかもしれないけど……
再録の原稿料がどうのこうのとか、そういえばここんとこいつも
若手作家中心のセレクトになってるな……とかの下衆の勘ぐりは止めておこう。
 
たとえば本書を含めて、自分が読んだ無茶苦茶狭い範囲の中からでも、
こんな凄いベスト本格ミステリ2018 10作品が選べちゃう。
偏ってるのは認めるけれど、
 
有栖川有栖「船長が死んだ夜」
麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い」
法月綸太郎「あべこべの遺書」
飯城勇三「英都大学推理研VS「女か虎か」」
青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」
周木律「煙突館の実験的殺人」
井上真偽「囚人館の惨劇」
青柳碧人「密室龍宮城」
大山誠一郎「顔のない死体はなぜ顔がないのか」 
東川篤哉カープレッドよりも真っ赤な嘘」
 
今年の本格ベストから、この有栖作品が落ちるのは納得いかない。
ノリリンも本格ベストなら、絶対こっちでしょ。
飯城勇三氏のは初出は対象時期外かもしれないけど、
その場合でも書き下ろしの中から、充分一作は選べるはず。
評論編にもどれか入れて欲しいところだけど、
今回の有栖評論は凄い作品なので、1編に絞るならそれはそれで納得だけど。
 
というわけで、本書のベスト3は上でも選んだ二作品、
大山誠一郎「顔のない死体はなぜ顔がないのか」 
東川篤哉カープレッドよりも真っ赤な嘘」
三つ目は悩んだ結果、変則的だけど、有栖川有栖「吠えた犬の問題」で。
評論でもあるけど、充分創作なんだもの。