新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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午後のチャイムが鳴るまでは

 
昨年度の本ミスでは4位と善戦した作品。
 
その最大の理由は最終話での収束のさせ方にあったんだろうけど、
まぁ割と予想できる展開だったかなぁという気はした。
 
では、それ以外の短編集としての出来映えが優れているかというと、
そこまではなかった。
 
日常物の学園ミステリってことで、謎は小粒なものだらけで、
ロジックは頑張ってはいるものの、それにしたって「占いの館へおいで」が
あることで、ガタガタに思えてしまう。
この短編は「九マイルは遠すぎる」を狙った作品なんだけど、
いくら何でも推論が飛びすぎていて、納得感の欠片も無い。
これがあるせいで全体的な質が低下して見えてしまった。
 
ベストは男子高校生のエスカレートしたお馬鹿な乗りが楽しくて仕方ない
「賭博師は恋に舞う」一択だけど、ゲーム物としては「地雷グリコ」の
どの一作にも満たないからなぁ。
 
自分の評価としては6点止まりかな。