新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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てっぺんぐらりん ~日本昔ばなし犯罪捜査~ 1巻

 
いや、もう、相当に無茶。
 
新人警官が勝手に部署立ち上げて、民間人に秘匿情報全公開なんて
懲戒免職ものの無茶(つうか無茶苦茶)も含めて、相当に無茶。
 
ジャンルで云えば、これは全くミステリなんかではなく、
ホラー・サスペンスの類いだな。
題材がホラーで、叙述形式がサスペンスといったような構造。
 
事件をどんな風に昔話に絡めていくのか、ってな話では全然なくて、
昔話そのものの事件が起こる、というお話。
 
でもって犯人はその昔話の悪役そのもの。外見は人間なんだけど、
中身は「人ならざる者─Wicked─」。特質も昔話そのもの。
主人公はその正体の姿を瞬間視える。
 
ミステリ的興味はほぼ皆無なんだけど、どんな昔話事件が起こるのやら、ってな
火事場見物的な興味と、昔話を異常犯罪として解釈するという点での面白みはあるから、
まぁ積極的に読みたいわけじゃないけど、何も無いときの候補には残しておくか。