オバペディア
作者の田丸雅智って寡聞にして知らなかったんだけど、
現代のショートショートの第一人者なんだそうな。
図書館で特集コーナーが組まれてたので、
一冊だけ借りてみようと、選んだのが本書。
読者から募ったアイデアを小説化したものらしいので、
個人で完結してる作品群より、バラエティに富んだ面白さを味わえるかなと。
その意味ではたしかに間違いなかった。
一つ一つの作品の切り口、設定、アイデアは
ユニークなものばかりで、その意味では楽しめた。
ただなぁ、ショートショートという文学特有の
オチの面白さ、結末の切れ味ってのは、ほぼほぼ味わえなかった。
それが唯一決まってたので、ベストは「言葉の蛇口」で。
しんみりといい話だったりする「白い犬」が第二位。
これがツートップかな。無理矢理選ぶなら、
植木等師匠の映画シリーズを想起させてくれた「新入社員」が第三位。
「赤ちゃんエクスプレス」と「矢印の街」でベスト5。
「くじ物件」「プレミアム地方」「記憶の喫茶」
「オバペディア」「バルーンケーキ」でベスト10。