- 作者:手塚 治虫
- 発売日: 1979/01/18
- メディア: コミック
表題作はショートショート9編の集合体だが、
SFとして結構気合いの入ったアイデアストーリーばかり。
なかなか凄いなぁと思ったら、SFマガジンに連載された作品群だったらしい。
漫画ではなく、文章主体の絵物語も数作あると思ったら、
そういう媒体に掲載されたものだからだったんだね、納得。
なので、この表題作が読めただけでも、充分嬉しい作品集。
この9編中のベストは、もう悩むことなく「そこに指が」だな。
読者が犯人ネタのミステリとか、ブラウンの「後ろを見るな」を想起させる。
第二位はストーリー的に秀逸な「緑の果て」で、
第三位は時間物らしさ満載の「24時間まえの男」で。
表題作以外は「ドオベルマン」「シャミー1000」「7日の恐怖」「赤の他人」の四作品。
その中では「トゥルーマン・ショー」の先取りみたいな「赤の他人」が良い。
奇妙なリアリティすら感じる「ドオベルマン」も良かったなぁ。