名探偵は誰だ
「犯人でないのは誰だ」「殺されるのは誰だ」「捕まるのは誰だ」「罠をかけるのは誰だ」
「生き残ったのは誰だ」「怪盗は誰だ」「名探偵は誰だ」の変則フーダニット7編。
さすが芦辺拓らしい凝りッぷりの趣向の作品集なんだけど、
作品自体としての面白さとしては、そこまででもないんだよなぁ
というのも、失礼ながらやっぱり芦辺拓かなと。
こういう趣向に至る経緯は、こだわり具合が見えて興味深かった。
さて、恒例のベスト3だけど、トリックとロジックとサプライズを
重視する作者のそれぞれの観点を踏まえて選んでみることにしよう。
ベストはサプライズの観点から「生き残ったのは誰だ」かな。
パロディ精神、批評家精神に富んだ作者ならではの着想。
こういう切り口が出来るところは、やっぱり尊敬してしまうな。
第二位はトリックの観点から「名探偵は誰だ」で。
例のトリックではあるけど、サプライズにも作品の面白さにも繋がってる。
第三位はロジックの観点から「犯人でないのは誰だ」で。
面白い作品ではないけれど、懸賞問題にも出来そうな綺麗さが光る。
採点は一応7点は確保だな。