フルスロットル トラブル・イン・マインドⅠ
「死亡告示」よりも、こちらの方が断然面白かった。
収録された六本全てが、ツイストの効いた作品ばかり。
どの作品でも必ずどこかで「えっ!」とか「おっ!」と思わせてくれる。
(唯一「ゲーム」だけは展開は面白いが、驚きは感じなかったけど)
「死亡告示」は「永遠」以外、そんなにしっくり来なかったけど、
こちらはまさしくディーヴァーの短編集という印象そのもの。
やっぱりこう来なくっちゃね。
ベストはダントツでキャサリン・ダンス物の表題作。
尋問での応酬、中盤のひっくり返し、大逆転の一打、
粋な締めくくり、と長編の要素を全部詰め込んだような驚異的な完成度。
第二位はジョン・ペラム物の「パラダイス」
冒頭のサスペンスから、終盤の怒濤のようなどんでん返し。
第三位はリンカーン・ライム物の「教科書どおりの犯罪」だな。
これまた長編を凝縮したような作品。いつものライム物の佳品やん。
これは昨年度の海外物ベストだな。採点は8点。