死亡告示 トラブル・イン・マインドⅡ
「クリスマス・プレゼント」、「ポーカー・レッスン」に続く、
第三短編集を二冊分冊したものの第二弾。予約順番の都合で、こちらが先に。
前二作がいずれも、長編に劣らずどんでん返しの驚きに満ちた作品ばかりだっただけに、
本作の期待度も高かったのだけど、こちらはそれほどではなかったな。
本書中で最も(というか、あるいは唯一に近いかも)どんでんの驚きを味わえるのは、
中編の「永遠」で、これがダントツのベスト。
とある人物の逮捕シーンこそ、ディーヴァーのミスリードの真骨頂だな。
統計の数字を推理の根拠とする主人公(意外な特技もあり)と敏腕マッチョ刑事の
バディ物としても魅力的で、これは新シリーズのパイロット版だったりするのかな。
第2位は「永遠」を除けば、一番どんでんに近いかな、の「兵器」で、
第3位はディーヴァーにしては少し珍しげなタイプの「カウンセラー」かな。
「リンカーン・ライム 死亡告示」はファンサービス作品としては愉しめるけどね。
前二作との落差をだいぶ感じてしまったので、採点は7点止まり。