新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

スペシャルアクターズ

10/21(月) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。
 
「イソップの思うつぼ」は三人の共同監督だったので、
これが正式な上田慎一郎監督の劇場長編第2弾。
 
勿論「カメ止め」と比較するのは可哀想ではあるけれど、
観に行くには十分な程度には面白かったと思う。
 
あちらが前半後半折り返しでのドカンと一発どんでん返しで、
後半は前半で張りまくった伏線の回収の面白さに徹していたのに対し、
こちらはどんでん返しを何段にも繰り返し繋げることで、
どんでん返し自体を楽しく見せる構造になっている。
(その分やっぱ伏線はさほど張られてないのが難点)
 
前作が裏表構造なら、本作は入れ子構造。
 
構造はより複雑で巧緻にはなってるんだけど、
シンプルな面白さには敵わないってのが、世の習いなわけで。
一生、「カメ止め」の上田慎一郎って言われちゃうのかな。
 
まぁ、でも鑑賞後感は良かったし
(ラストの兄のリアクションは違ったものであって欲しかったけど)
こういう構造の作品にこだわってくれてるのは嬉しいので、
次作も多分観に行くことになるだろう。