新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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浮遊封館

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浮遊封館<ミステリー・リーグ>

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待ち望んでいた門前典之の新刊。
氏のデビュー作「死の命題」(新風舎)は、私にとっては隠し球のような作品で、事ある度に人に薦め続けている。三度も大笑い出来る(勿論誉め言葉)、バカミス界に燦然と輝く超弩級の傑作なのだ。
第二作が第十一回鮎川哲也賞(01年)に輝く「建築屍材」であったが、ちょっとごちゃごちゃし過ぎていて、あまり収まりの良くない作品であったのが悔やまれる。
さて本書だが、幾つかの断片を重ねながらも、一瞬で理解できる気の狂った(これまた誉め言葉)論理で解決されるのは、期待に違わぬバカミスと言っていいだろう。