鴨乃橋ロンの禁断推理 10巻
長編の「悲劇の航海連続殺人事件」だけど、
一応この巻でその謎解きと、いよいよもって
「血の実習事件」の謎解きまで完了する。
まずは「悲劇の航海連続殺人事件」の方だけど、
ペアの一方にもう一方を殺させるような仕掛けという展開は面白い。
だけど、謎解きが心理的な面だけで終始してしまうのはいただけない。
決め手が提示されると思ったら、読者には隠された後出しの手がかりだなんて、
この作品にしては手ぬるい謎解きになってたと思う。
そして、まるでついでかのように「血の実習事件」の謎解きもあっさりと。
ここまで引っ張った割にはすっきりしにくい解決だったけど、
一応は時制トリックなんかも絡めてるので、許容範囲なのかなぁ。
以前描かれてたとある事件は、この解決のための言い訳にする目的だったのか。
どちらの事件も読者をミスリードする仕掛けは施されてたとはいえ、
期待を満たしてくれるほどの出来映えではなかったと思う。
そして最後の罠が発動して、次巻へ続く。