しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人
幾つも驚きのポイントが用意されてはいるんだけど、
なんか素直に驚嘆できないものが多かった。
特に迷宮に関しての謎解きに関してなんて、
とっ散らかし過ぎてて、いったいもう何が何やらって気になってしまう。
作者自身が途中で取り返しの付かない間違いに気付いて、
辻褄の合うように書き直すこと放棄して、ええい、もうこれでいいやと、
放り投げた結果なんじゃないかと邪推してしまうほど。
(これが真実でないことを祈る)
ただ、やはり、この二つが交差するところの仕掛けに関しては、
非常に巧みで感心させられた。
帯で有栖川有栖が「あれだけ警戒しながら読んだのに完全に騙された。」
と書いてるけど、これは騙されるしかないでしょ。
これだけを取れば8点級の作品ではあるんだけど、
そこまでの驚嘆ポイントを台無しにしてきたことを
減点ポイントとして受け止めて、採点は7点。
あと、この作者らしいエロの使い方もくすっと笑えたかな。
(フェラーリ、のくだりね。こんなのを伏線にするか(笑))