収録作は「英国庭園の謎」「暗い宿」からいずれも表題作、
オリジナルの掌編「茶色の研究」の3篇。
「英国庭園の謎」は原作の短編集の表題作ながらも、
単なる暗号物で、個人的には面白味が感じられなかった。
「暗い宿」はアクロバティックな論理というか着想(4つの可能性を挙げて、
それら全てを否定した上で、5つめを提示するところ)をやりたかったんだろうけど、
心理的にはあり得ないっしょとしか思えなかった。
人は非合理的なことをする、って強引に押さえ込んでたけど、
そんなんで、誤魔化されたりなんかせんぞ。
こんな5つめの可能性をやる奴なんていないってば。
ミステリとしてやりたかったことはわかるけど、常識的に成立しないよ。
というわけで、本巻のベストは上記では無く、最終頁の4コマ漫画ということで。
暗号の別解にくすっとしてしまったので。