新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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犬神家の一族

 
原作は当然既読。
 
長尾文子の漫画版は原作に忠実で、1巻に凝縮されていて、
おさらいするには最適な漫画化作品だと思う。
(正直、画は好きではないのだけど)
 
佐清の死体姿の映像的インパクトが日本中を席巻して、
角川映画の一時代、横溝正史ブームをもたらした記念碑的作品。
 
「○○家の一族」というタイトルのフォーマット性もあって、
旧家を舞台にした作品は、これ以降、いまだに「犬神家のような」
という枕詞として使われているものな。
 
ミステリとしてはたいしたことないなと思ってはいたんだけど、
犯人を嫌疑外に置く工夫や、全体の真相の組み上げ方などは、
改めて見返すと悪くないなぁと思えてしまった。
 
キャスティングで犯人がわかってしまう映画よりも、
漫画版の方が見るには良いなぁと。
(勿論、原作を読むのがベストな選択肢ですが)