新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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鴨乃橋ロンの禁断推理 6巻

 
「高原オーベルジュ連続殺人事件」
このシリーズとしては長尺(8話構成)の連続殺人物で、
シリーズとしての重要な転機点ともなる作品なので、気合い充分。
二通りのロジック展開で、いずれもが同じ人物を犯人として指し示す、
という本格ミステリとしても興味深い試みで、シリーズ中でも屈指の出来映え。
ジョークみたいなホワイ(着替えが無い)も痺れる。
 
「占いプリンス殺人事件」
倒叙物で、ポイントは凶器の隠し場所一点のみ。
どうやって犯人を追い詰めるかという、倒叙物ならではの手法が効いてる。
ホワイ(電池)も絡めてるし、地味だけど悪くない。
 
「高原……」みたいな丸々1巻分くらいの(それ以上でも勿論いいけど)長尺作品で、
伏線やトリックやロジックをじっくり仕込んだ作品をもっと読ませて欲しいな。
短い作品はどうしてもワンポイントなので、ロジックはあっても、ロジック展開ではないので。