#真相をお話しします
協会賞受賞で、「ザ・ベストミステリーズ2021」に収録された
「#拡散希望」が傑作だったので、読んでみた短編集。
その初読の際に書いた感想がこれ。
「まさに今の時代ならではの作品。
違和感が伏線として蘇り、驚きと納得を味わいつつも、時代に溜息してしまう。」
でもって、実に収録五作ともが、まさにそういう作品。
「今ならではの作品」であり、「違和感が伏線」となる作品ばかりであり、
真相に気付かなければ「驚きと納得」が確実に得られるであろう作品ばかり。
そういうわけで一般の評判が高いのも頷ける作品集。
ただね、やはり、上に注釈のように付け加えた「真相に気付かなければ」
ってところが鍵で、違和感の伏線がたっぷりサービスされてるので、
正直わかりやすすぎる。
唯一自分にとっての例外が「#拡散希望」だけだったので。
当然これがダントツのベストで、次点もたしか同様に年間アンソロジーで
読んだことがあった「惨者面談」で決まり。
残り三作の初読作品は反転がシンプルすぎて、どんぐりの背比べかな。
全作未読だとすれば、少なくともこの二作は読む価値はあると思うので、
採点は7点にしておこう。