新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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許されようとは思いません

許されようとは思いません

許されようとは思いません

年間アンソロジー系で既読だった二作品(表題作に「絵の中の男」)が、
いずれも協会賞を与えるべきだったと思うくらい、年間ベスト級だった作品だけに、
やはりこの作品集自体もハイレベルと言って構わないと思う。
 
相当な離れ技とも思えるくらい、飛びっきりのホワイや意外性が炸裂するので、
人によっては違和感や受け入れにくさを感じることもあるかと思うが、
作品の中でこれだけの振れ幅を持っているということで、高く評価したい。
 
上記以外の3作品も、いずれも魅力的に感じられた。
 
「目撃者はいなかった」の意外なところからの落とし所も巧みだったし、
「ありがとう、ばあば」のさりげない伏線にも唸ったし、
「姉のように」のミスリードも逃れようがないと思わされた。
 
粒ぞろいなので、採点は8点としよう。