09/19(日) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。
「J・ノーランが仕掛ける映像トリック」とか、
さんざん煽ってるチラシを読んでたから、凄く期待してた作品。
記憶に潜入するってこともあって、「インセプション」みたいな作品、
まさしく兄のクリストファー・ノーランっぽい作品だろうと思い込んでしまってた。
そういう期待感で見てしまうと、だいぶ裏切られた気分。
酩酊感や知的興奮はほとんど感じられない、割と一本調子のサスペンス。
しかも主人公に共感を覚えることのできないまま最後まで進んじゃう。
記憶を三次元映像に映し出すガジェットだけは充分活かされてるけど
(真相解明シーンでの、この三次元映像ならではの演出はとても良かった)
これを除けば、SFっぽさ自体がほとんど無いんだよなぁ。
人間の記憶なんだから、もっと不確かだろうと思うのに、
完璧な記録映像みたいになってて(しかも主観映像ではなく、客観映像。
キスシーンを思い浮かばせて説明してたけど、それじゃあ不確かさは入るべきでは)
観客の”読み”が入る余地が無いってのも、一本調子を感じさせる要素なんだろうな。
また、水没しかけた世界を映し出す、オープンニングの長回しワンショットには
もの凄くワクワクさせられるんだけど、結局この世界観って、
ほとんど活かされてないんだよね。
映像美狙いだけで終わってて、雰囲気として効果的に組み込まれてる感じがしない。
「ブレード・ランナー」みたいにしたくて、全然出来ちゃいないってことなのかと。
ってなわけで、勝手に期待しちゃうと損する作品なんで、ハードルを下げてご覧ください。
ちょびっとだけSF仕立てのファム・ファタールなサスペンスとしては、そこそこの作品。