- 作者:星野 之宣
- 発売日: 2005/11/18
- メディア: 文庫
元本はデビュー25周年記念の自薦集として、
「歴史編」とセットで、2001年に刊行されている作品。
そんな長期の中から、作者自身が自信のある作品を選んでいるわけなので、
いずれも間違いなく傑作ばかり。
SFとしてのセンス・オブ・ワンダーに満ち満ちていて、
ハードSFとしての考察にも感嘆しきり。
そこに切なさや沁みる感情まで乗っかってくる。
SF研の部室に是非常備しておきたい作品集だな。
ベストはやはり「セス・アイボリーの21日」だな。
この慟哭には胸を打たれざるを得ない。
これまで読んだ星野之宣の中で、最も心震えた傑作。
第2位は「残像」。
太古の地球の映像から始まるハードSFが、感動にすり替わっていく。
最後まで泣かせてくれる名品。
第3位は「悪魔の星」。
ハードSFとしての壮大なスケールの作品を、
神と悪魔という寓意に投影させて描き出した雄編。