喧騒の夜想曲
「そりゃ、編集者、楽(らく)しすぎだろ」な編集方針なだけあって、
相変わらず協会が選んだ年間アンソロジー系(3年分を二分冊)とは
全く思えないような低質さっぷり。
なにせまず作家を30人決めて、Max二作で自薦して貰って、
そのどちらかを決めて二分冊で出すだけの作業。
Maxでも60作読めばすむし、最大でも二択。
自薦が一作だと、たとえどんな出来映えだろうが、掲載決定だよ。
(さすがにひどい出来映えって作品は一作も無かったけれど)
30人以外の中にどんな名短編が生まれていようが、おかまいなし。
講談社版のあるけんよかろうが、ってなことなのかな。
読み物としては楽しくはあったけど。
でも、これを協会自身で「最新ベスト」として出しちゃっていいのか。
ずばぬけた作品は一作もないので、
どこかほんの一部分でも「えっ!」とか「ほぉ~」とか
思った作品を優先して、順不同で以下を自分のベスト3としよう。
天祢涼「居場所」
恩田陸「降っても晴れても」
米澤穂信「守株」
採点は6点。お寒いアンソロジー。